医療裁判紹介バックナンバー

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医療裁判:入院患者の転落防止義務

2016年01月01日
血液透析を必要とする慢性腎不全,糖尿病等に罹患していた患者(男・事故当時81歳)が,右大腿切断手術の目的で入院した。患者のベッドは,枕側から上半身に相応する部分にかけて両脇にベッド柵(高さ27cm)が設けられており,枕側のベッドボードの直ぐ脇の壁にはナースコールが設置されていたが,患者は夜間にベッドから転落。対応した看護師が全身観察するも変形や外傷もなく,バイタルサインにも異常が無かったことから,経過観察としたが,その後,硬膜下血腫等により死亡に至った……(岡山地方裁判所平成26年1月28日判決)

医療裁判:治療目的について虚偽の説明をしたことを一因とし慰謝料が認められた1例

2015年12月02日
歯科医院において右上6番のインレー装着等の治療を受けた患者(性別,年齢不明)が,治療上の不満を理由に歯科医師に対し損害賠償を求め,代理人をたてて交渉を開始した。その交渉の経緯において,歯科医師は,実際は隣接歯との接触回復を目的としてインレーを装着したという認識であったにもかかわらず,本件当時右上6番にう蝕があり,それが右上6番にインレーを装着した理由の一つであったと虚偽の説明を行ったため,患者は,そもそも右上6番のインレー装着は無根拠治療だったのではないかと疑った……(東京地方裁判所平成26年3月26日判決)

医療裁判:カルテに記載された内容が信用できないと判断された事例

2015年12月01日
本件は,産婦人科クリニックにおいて出生し,生後も同クリニックで診療を受けていた女児が,生後約1ヵ月に大動脈弁狭窄症による急性左心不全で死亡したことを受けて,女児の両親が,クリニックにおける大動脈弁狭窄症の見落しの医療過誤を主張して,訴えを提起した事案である……(東京地方裁判所平成24年9月6日判決)

医療裁判:外泊許可を撤回しなかったことの過失

2015年11月02日
患者(女性,昭和21年生まれ)は卵巣癌の胸膜転移による胸水の貯留等により胸部痛・呼吸困難を訴え,入院。穿刺による胸水,腹水の排液等の治療を受けていた。癌の進行に伴い,患者は癌の治療と緩和ケアの両方ができる病院へ転院することを考え,転院候補の病院への受診を目的に担当医へ外泊許可の申し出を行い,申し出を受けた担当医は外泊の許可をした。その後,外泊前日に患者は腹部膨満の悪化と呼吸困難を訴えたが,担当医は外泊許可の撤回はせず,酸素投与を行い,外泊に備えオキシコドン塩酸塩等の各種薬剤を交付,何か異変があったら病院に連絡するようにと患者に伝え,患者は予定通り外泊した。しかし,患者は外泊をしていた間に,呼吸困難に陥り,死亡するに至った……(東京地方裁判所平成25年12月26日判決)

医療裁判:社会保障給付について説明する義務

2015年11月01日
患者(女性,昭和9年生)は,心臓機能障害を有するために身体障害者福祉法に基づく身体障害認定で3級と認定されていたが,それとは別に障害等級3級以上に相当する網膜色素変性症による視覚障害が生じた。しかし,患者は,通院中に主治医や病院から,網膜色素変性症が身体障害認定要件を満たす程度に進行しているとの説明を受けたり,社会福祉の窓口を紹介されたりすることがなかったため,10年間,心臓機能障害と視覚障害とを併せ評価した障害等級2級の障害者に対する愛知県在宅重度障害者手当を受けることができなかった……(名古屋地方裁判所平成24年11月29日判決)

医療裁判:腰椎後側方固定術時の腹部大動脈損傷に医師の過失が認められた事例

2015年10月02日
腰椎の圧迫骨折等の治療のため,腰椎後側方固定術を受けた患者(当時75歳,女性)が,その手術中から多量出血を起こし,手術後,他院へ緊急搬送されたものの,転院先で多臓器不全によって死亡した。司法解剖の結果,患者には腹部大動脈の損傷等が認められた……(さいたま地方裁判所平成25年7月25日判決)

医療裁判:問診の際に転倒事故の経過や態様等を具体的に質問しなかった医師の責任

2015年10月01日
自宅の外階段で転倒した男性(当時74歳)が,救急車で病院へ搬送された。担当した医師は,患者に対し,「頭や首などを打ってはいないか」と複数回にわたり質問したが,患者は明確に否定し,診察とCT等の検査の結果,左大腿骨頚部骨折および骨盤骨折の疑いと診断され入院となった。しかし,その数時間後に意識レベルが低下し声かけにも反応しなくなったため,頭部の検査を行ったところ,頭蓋骨骨折,硬膜下血腫,および脳室内出血が確認され,その後,急性硬膜下血腫により死亡した……(東京地方裁判所平成18年7月13日判決)

医療裁判:医療事故に関する患者への説明義務

2015年09月02日
本件は,腰椎椎間板ヘルニアの摘出手術を受けた患者(62歳男性)が,執刀医が部位を取り違えて手術を行ったことにより,棘突起などの支持組織を 切断,損傷した結果,後遺障害等級6級に該当する腰部不安定および腰部痛の後遺症を負わせられた,また,部位を誤認したこと等に関する説明がされていないなどと主張して,執刀医の勤務する病院に対し,4689万余円の損害賠償を求めて訴訟を提起した事案である。(横浜地方裁判所平成24年8月9日判決)

医療裁判:歯科治療を進めるに当たっての説明とリーマー破折に対する対応

2015年09月01日
歯並びが気になっていた患者(女性,22歳)が,知人の友人からの紹介で歯科クリニックに行き,補綴矯正を受けた。しかしその後,歯肉に痛痒さを感じるようになったため,他の歯科クリニックへ通院したところ,歯肉炎,歯周炎,リーマー残置等が認められた……(東京地方裁判所平成24年9月13日判決)

医療裁判:豊胸手術に関する説明義務

2015年08月02日
患者(女性,事故当時31歳)は,豊胸のため乳房内に挿入していたインプラントの抜去と脂肪注入による豊胸術を受けようと思い,クリニックを受診した。しかし,受診した際に観た脂肪注入術に関するDVDの内容が,希望するような十分な豊胸効果が期待できない等,受診前に電話で問い合わせた際の説明内容と異なることから,患者は医師から直接説明を聞きたいと看護師に伝えたが,「手術の申込書にサインをしないと医師には会えない」,「今キャンセルすれば100%のキャンセル料がかかる」と言われ,結局,患者は手術申込書にサインをした……(東京地方裁判所平成25年2月7日判決)
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