医療裁判紹介バックナンバー

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医療裁判:けいれん症状のある乳児に対する診断を誤った事例

2017年10月01日
患者(女児,生後6ヵ月)が手足をピクピクとしたりビクッとして急に泣き出したりしたため,母親に連れられて休日夜間救急の小児科を受診したところ,診察をした医師は脳波をとるための設備が不十分として別の病院を紹介した。紹介先の病院の担当医等は,複数回患者を診察したが,てんかんを疑うことはあっても,代謝性疾患等の全身疾患を疑い血液検査を実施することはなかった。しかし,後日,患者は高インスリン血性低血糖症であったことが判明し,その後,重度の知的障害との判定を受けた……(広島地方裁判所平成27年5月12日判決)

医療裁判:介護施設における浴槽内の溺死

2017年09月01日
介護付有料老人ホームの入居者(女性,事故当時90歳台)が居室(完全個室)の浴槽内で溺死した。本件は,入居者の長男が,介護職員が入浴時に適切な見守り等を行わなかったために入居者が溺死したと主張して,老人ホームの運営会社に対し,安全配慮義務違反による債務不履行または不法行為に基づく損害賠償として2200万円を請求した事例である……(東京地方裁判所平成26年5月29日判決)

医療裁判:患者が入院食として提供された蒸しパンにより窒息した場合の看護師の責任

2017年08月01日
くも膜下出血で緊急手術を受けた患者(男性,事故当時59歳)が,手術後5日目の昼食時に出された蒸しパンを喉に詰まらせて窒息し,血管性認知症,精神障害者保健福祉手帳2級の後遺症害を負った……(東京地方裁判所平成26年9月11日判決)

医療裁判:薬剤の多剤・多量投与と経過観察の方法

2017年07月01日
統合失調症の治療のために入院した患者(当時38歳)が,入院した病院で抗精神病薬の多剤・多量処方を受けたところ,入院から10日目の夜に心肺停止状態で発見され,その後,遷延性意識障害となった(その約9ヵ月後に患者は死亡)……(東京地方裁判所平成24年12月27日判決)

医療裁判:患者の問題行動に対する医療機関の対応

2017年06月01日
糖尿病,肺炎,肺膿瘍疑いで入院加療中の現職警察官の患者(男性,中高年)が,インスリンの自己注射および食事の配膳に関する担当看護師らの対応に激昂し,看護師らが謝罪するも,書面を要求するなどし,また,翌日の主治医との面談における主治医の発言に立腹し,そのまま退院した……(岡山地方裁判所倉敷支部平成26年3月11日判決)

医療裁判:異物遺残の場合における慰謝料(2)

2017年05月01日
本件は,乳癌の転移による末期癌の状態で呼吸困難となり緊急搬送された直後に癌性心膜炎による心タンポナーデによる心肺停止状態となった患者(女性:死亡時53歳)に対して,担当医師が心膜穿刺術を施行した際に,誤って針(内針)を心膜腔に留置したため,留置された針が心臓を穿孔したことによる出血により外傷性心タンポナーデを発症して患者が死亡した事案である……(仙台地方裁判所平成26年12月18日判決)

医療裁判:栄養管理に関する注意義務

2017年04月01日
患者(女性,当時95歳)は,食事の経口摂取が困難となったことから病院に緊急入院し,精査とともに栄養管理が行われた。入院中に栄養状態は改善せず,精査の結果も認知症が原因であろうとの診断で,自宅での療養を勧められ,退院。しかし,退院4日後,患者は救急搬送され,誤嚥性肺炎により死亡した……(山形地方裁判所平成26年2月25日判決)

医療裁判:歯科治療中に急変した患者の全身管理を早期に歯科麻酔医に委ねるべきであったとされた1例

2017年03月01日
歯根嚢胞の処置のため大学病院において抜歯および嚢胞開窓術を受けた患者(本件当時25歳男性)が治療中に急変し,同病院内の救命救急センターに搬送されたものの死亡した。これを受けて,その相続人である両親が,麻酔使用の不適切性や急変時の対応の不備などを主張し,担当医や同病院を運営する法人に対し損害賠償を求め訴訟を提起した……(福岡地方裁判所平成25年9月17日判決)

医療裁判:医療機関における暴力行為の対策

2017年02月01日
病棟に勤務していた看護師が,業務中に入院患者からの暴力により傷害を受けて休職し,復職後にも,入院患者の食事介助中に同患者から暴力を振るわれ,休職するに至った。その後,病院から休職期間満了による解雇通告を受けたため……(東京地方裁判所平成25年2月19日判決)

医療裁判:確定診断前における癌の可能性の告知方法

2017年01月01日
看護師であり内視鏡室に勤務したことのある患者(当時48歳,女性)が腹痛を主訴として医師の診察を受けた。担当医は触診および腹部CT検査を行った結果、大腸癌を疑い、「見た感じでは良性ではなく大腸癌だと思います」等の説明をした上で、後日、大腸内視鏡検査を行ったものの、異常所見が認められず、患者が大腸癌でないことが判明した……(札幌地方裁判所平成26年11月12日判決)
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