医療裁判紹介バックナンバー

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医療裁判:看護師の守秘義務違反と病院の責任

2016年10月01日
ユーイング肉腫に罹患し病院に入通院していた女性患者(当時19歳)の病状や余命等を,同病院の看護師が自分の夫に話し,その夫が病院外で患者の母親に告知した。これを受けて,患者の母親が,秘密が漏洩されたことを知り精神的苦痛を受けたとして,病院に対し,慰謝料300万円を含めた計330万円の損害賠償を請求した事案である……(福岡高等裁判所平成24年7月12日判決)

医療裁判:患者を他の医療機関へ転医させる際の搬送方法の適否

2016年09月01日
アルコール依存症を合併した境界性人格障害の患者(女性,31歳)の主治医が,患者を他県にある医療機関に搬送するに際して,窒息の危険性のある搬送方法を採ったにもかかわらず,搬送経験や医学的知見に乏しい看護学生および事務員に搬送を委ね,自らは搬送に同行しなかった結果,搬送途中で患者が窒息死した……(東京地方裁判所平成16年10月27日判決)

医療裁判:転送先を適切に選定すべき義務

2016年08月01日
当時約2歳1ヵ月であった患者(男児)が,腹痛を訴え,病院を受診した。診察した医師は,患者は急性呼吸循環不全で初期集中治療による救急救命措置が必要であると判断したが,病院では担当した医師しか小児科医がいないため集中治療ができず,さらに医師は気管内挿管の処置が行えなかったため,他院へ転送することとなった。その際,転送先候補として,救急車で10分程度の呼吸循環回復の処置ができる第2次小児救急病院と,救急車で30分強の外科的処置もできる第3次救急病院があったが,喫緊で必要な処置はすべてできる,より近い第2次小児救急病院へ転送することになった……(さいたま地方裁判所平成26年5月29日判決)

医療裁判:説明義務違反と因果関係

2016年07月01日
妊婦(事故当時41歳)は,高齢出産であることを考慮して,羊水検査を受けた。結果は,胎児がダウン症であることを示す染色体分布図であったが,医師は検査報告書を誤解し,妊婦に対し,検査の結果,ダウン症は陰性である旨の説明を行った。後日,妊婦の羊水が枯渇し,胎児が弱ったことから,他院に救急搬送され,帝王切開手術で出産したが,子どもはダウン症であった。その後,この子どもは,ダウン症を原因とした肝不全により死亡した……(函館地方裁判所平成26年6月5日判決)

医療裁判:患者に対する死因説明義務違反がなかったとされた1例

2016年06月01日
赤痢アメーバ症により2度におよぶ開腹手術を受けたが入院中に死亡した患者(本件当時30代男性)の母が,治療に関する複数の過失や死因についての説明義務違反等があると主張し,手術を行った病院を開設運営する法人および担当医らに対し損害賠償を求め訴訟を提起した……(東京地方裁判所平成22年9月30日判決)

医療裁判:終末期医療において、誤嚥性肺炎に対し人工呼吸器を装着しないことの是非

2016年05月01日
医師であった患者(男性・90歳)が,発熱,脱水等に対する入院加療中に誤飲性肺炎(判決文の記載。以下同じ)による急性呼吸不全で死亡した。担当医は,人工呼吸器による治療を希望しないとの患者名義の書面が入院中に作成されていたことから,できるだけ人工呼吸器を装着せず抗生剤投与を中心とする治療を行った……(東京地方裁判所平成21年12月10日判決)

医療裁判:アナフィラキシーショックに対する救命措置とその記録

2016年04月01日
アイナメの刺身,ピザを食べた後にじんま疹,腹痛,嘔吐および下痢が出現したとして夜間救急を受診した患者(男性)に対し,造影CT検査を行ったところ,アナフィラキシーショックを発症し,救命措置を行ったものの死亡した……(東京地方裁判所平成21年2月23日判決)

医療裁判:CRPSの早期診断義務について

2016年03月01日
右肩石灰沈着性腱板炎と診断された患者(当時34歳,男性)が,鏡視下肩関節形成術および石灰摘出術を受けた。しかし,手術後も患者はしびれや疼痛を訴えたため,病院はリハビリを指示。患者は指示通りリハビリを行うが,疼痛は改善しなかった。その後,ピリピリ感や発赤が認められたことから,医師の勧めで患者はペインクリニックを受診したところ,右上肢から手指にかけて腫脹,疼痛,しびれ,筋力低下等の症状が認められ,CRPSが疑われた……(名古屋地方裁判所平成25年4月12日判決)

医療裁判:消化管穿孔と手技上の不注意の有無

2016年02月02日
早期胃癌の発見された男性患者(当時70歳)が,病院で胃癌摘出のための切除手術(幽門側胃切除術およびRoux-Y吻合術)を受けたが,その翌々日,十二指腸断端部付近に穿孔があること,および穿孔から漏出した消化液により前縦隔炎を発症していることが判明し,約2週間後に多臓器不全のため死亡した……(岡山地方裁判所平成23年7月12日判決)

医療裁判:勤務看護師がHIV感染症に罹患した場合における情報共有の適否

2016年02月01日
病院に勤務する看護師(女性,年齢不明)が,勤務先の医師に紹介された病院で受けた血液検査によりHIV感染症と診断された。血液検査を行った医師から,看護師がHIV感染症に罹患しているとの情報を得た勤務先病院の医師および職員が,看護師の同意なく他の職員に伝達して情報を共有し,また,HIV感染症に罹患していることを理由に勤務を休むよう指示し,その後,看護師は勤務に復帰することなく病院を退職した……(福岡地方裁判所久留米支部平成26年8月8日判決)
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