医療裁判紹介バックナンバー
医療裁判:後腹腔鏡下腫瘍摘出術に伴う合併症の説明
2018年08月01日
患者(女性,平成20年当時58歳)は後腹膜腫瘍および神経鞘腫の疑いがあると診断され,後腹膜鏡下腫瘍摘出術を受けた。患者の神経鞘腫は大腿神経に生じていたが,担当医師は,神経鞘腫は大腿皮神経に生じていると判断していたため,腫瘍遺残や再発の可能性を考慮した上で,やむを得ず腫瘍摘出時に神経の頭側,尾側を切除した……(高松地方裁判所平成28年5月18日判決)
医療裁判:バリウムを使用した胃がん検診における説明義務違反
2018年07月11日
市の委託を受けた検診センターにおいて胃がん検診を受けた患者(78歳・女性)がバリウムを服用し,胃のレントゲン検査を受けた。患者は4日後に腹痛の症状で近医を受診し下剤の投与を受けるなどしたものの,腹痛の症状が持続したため大学病院に緊急搬送・入院し,大腸穿孔,腹膜炎と診断され,人工肛門造設術および腹腔ドレナージ術を受けた。その後,腸瘻を原因とする敗血症により死亡した……(東京地方裁判所平成27年5月22日判決)
医療裁判:注射による細菌感染防止策
2018年07月01日
変形性膝関節症の診断を受けてヒアルロン酸関節内注射の治療を受けていた患者(女性,死亡当時68歳)が,黄色ブドウ球菌に感染しその後死亡した……(長崎地方裁判所佐世保支部平成27年4月27日判決)
医療裁判:産婦人科病院における新生児専門医への応援要請義務について
2018年06月14日
妊婦が下腹部痛を訴える電話をしたが、対応した看護師は,妊婦が妊娠26週で経産婦であることを確認し,「陣痛のような痛みか」と質問したところ,妊婦はこれを否定し,「便秘のような痛みである」と答えた。看護師は妊婦に来院を促し,妊婦は来院したが,当直医師は切迫早産の診断を行い,新生児専門医に応援要請を行うも,最終的に児には脳性麻痺の後遺障が残った……(大阪地方裁判所平成26年10月21日判決)
医療裁判:患者の言動を理由とする診療拒絶の正当性が認められた事例
2018年06月01日
ADHD・神経症と診断され病院でメチルフェニデートを処方されていた患者(年齢・性別不明)が,院内での言動を理由に病院から診療を拒絶されたため,精神的損害を被ったとして慰謝料の支払いを求めた事例(東京地方裁判所平成27年9月28日判決)
医療裁判:医療水準が未確立な自由診療における医師の説明義務
2018年05月17日
本件は,診療所において幹細胞治療(幹細胞の自己複製能や分化能を利用した再生医療)を受けた患者(女性:本件治療時68歳)が,担当医師の説明義務違反を主張して,診療所および担当医師らに損害賠償を求めて訴訟提起した事案である(東京地方裁判所平成27年5月15日判決)
医療裁判:異物遺残の場合における慰謝料(3)
2018年05月01日
患者(女性,手術当時39歳)が病院において心室中隔欠損症・感染性心内膜炎等の治療のための手術(三尖弁形成術・心室中隔欠損孔閉鎖術)を受けたが,その際に,医師がAの体内に針(縫合針)を遺残させてしまった……(さいたま地方裁判所平成26年4月24日判決)
医療裁判:ガイドラインが診療当時の医療水準を示すものではないと判断された1例
2018年04月13日
B型肝炎ウイルスの感染歴を有する患者(男性,昭和16年11月生)が,悪性リンパ腫の治療のため,免疫抑制作用を有する薬剤の投与を繰り返し受けたところ,肝内に残存するウイルスが免疫抑制により再活性化してB型肝炎を発症し,肝不全によって死亡した……(大阪地方裁判所平成27年11月25日判決)
医療裁判:閉塞性動脈硬化症による褥瘡,感染について医療機関側の責任が否定された1例
2018年03月30日
両下肢閉塞性動脈硬化症の診断を受けた患者(本件当時80歳台男性)が,入院治療を開始した後に転院し,その病院にて手術を受けたあと敗血症により死亡した……(札幌地方裁判所平成26年12月24日判決)
医療裁判:他社製の医療器具同士を接続して使用する場合の安全確認義務
2018年03月15日
先天性食道閉鎖,ファロー四徴症に対する根治術を受けた患者(本件事故当時1歳9ヵ月頃)に術後肺動脈狭窄が見られ,右心不全が進行したため,肺動脈形成術を受けたところ,術中に投与したカテコラミンがシリンジと三方活栓の接続部から漏出していたことが判明した……(津地方裁判所四日市支部平成27年6月24日判決)


