医療裁判紹介バックナンバー

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医療裁判:産婦人科病院における新生児専門医への応援要請義務について

2018年06月14日
妊婦が下腹部痛を訴える電話をしたが、対応した看護師は,妊婦が妊娠26週で経産婦であることを確認し,「陣痛のような痛みか」と質問したところ,妊婦はこれを否定し,「便秘のような痛みである」と答えた。看護師は妊婦に来院を促し,妊婦は来院したが,当直医師は切迫早産の診断を行い,新生児専門医に応援要請を行うも,最終的に児には脳性麻痺の後遺障が残った……(大阪地方裁判所平成26年10月21日判決)

医療裁判:患者の言動を理由とする診療拒絶の正当性が認められた事例

2018年06月01日
ADHD・神経症と診断され病院でメチルフェニデートを処方されていた患者(年齢・性別不明)が,院内での言動を理由に病院から診療を拒絶されたため,精神的損害を被ったとして慰謝料の支払いを求めた事例(東京地方裁判所平成27年9月28日判決)

医療裁判:医療水準が未確立な自由診療における医師の説明義務

2018年05月17日
本件は,診療所において幹細胞治療(幹細胞の自己複製能や分化能を利用した再生医療)を受けた患者(女性:本件治療時68歳)が,担当医師の説明義務違反を主張して,診療所および担当医師らに損害賠償を求めて訴訟提起した事案である(東京地方裁判所平成27年5月15日判決)

医療裁判:異物遺残の場合における慰謝料(3)

2018年05月01日
患者(女性,手術当時39歳)が病院において心室中隔欠損症・感染性心内膜炎等の治療のための手術(三尖弁形成術・心室中隔欠損孔閉鎖術)を受けたが,その際に,医師がAの体内に針(縫合針)を遺残させてしまった……(さいたま地方裁判所平成26年4月24日判決)

医療裁判:ガイドラインが診療当時の医療水準を示すものではないと判断された1例

2018年04月13日
B型肝炎ウイルスの感染歴を有する患者(男性,昭和16年11月生)が,悪性リンパ腫の治療のため,免疫抑制作用を有する薬剤の投与を繰り返し受けたところ,肝内に残存するウイルスが免疫抑制により再活性化してB型肝炎を発症し,肝不全によって死亡した……(大阪地方裁判所平成27年11月25日判決)

医療裁判:閉塞性動脈硬化症による褥瘡,感染について医療機関側の責任が否定された1例

2018年03月30日
両下肢閉塞性動脈硬化症の診断を受けた患者(本件当時80歳台男性)が,入院治療を開始した後に転院し,その病院にて手術を受けたあと敗血症により死亡した……(札幌地方裁判所平成26年12月24日判決)

医療裁判:他社製の医療器具同士を接続して使用する場合の安全確認義務

2018年03月15日
先天性食道閉鎖,ファロー四徴症に対する根治術を受けた患者(本件事故当時1歳9ヵ月頃)に術後肺動脈狭窄が見られ,右心不全が進行したため,肺動脈形成術を受けたところ,術中に投与したカテコラミンがシリンジと三方活栓の接続部から漏出していたことが判明した……(津地方裁判所四日市支部平成27年6月24日判決)

医療裁判:薬剤使用にあたり副作用についてどの程度説明すべきか

2018年03月02日
子宮体癌で子宮全摘手術を受けた患者(女性,死亡当時62歳)が,術後に抗癌剤治療を受けた。第1クール後に発疹が生じたものの投薬治療後治癒し,第2クールが開始されたところ,患者は抗癌剤の投与を受けた直後にショック症状を起こして死亡した……(大阪地方裁判所平成25年2月27日判決)

医療裁判:吸引分娩・鉗子分娩の適応・実施条件

2018年02月19日
本件は,産婦人科医院にて産婦(当時28歳,妊娠38週1日)が娩出した新生児が出生翌日に死亡したことについて,吸引分娩,鉗子分娩,クリステレル胎児圧迫法の適応がないのにこれらを実施した過失があるとして医院および担当医師に対して損害賠償金を請求した事案である……(山口地方裁判所平成27年7月8日判決)

医療裁判:帝王切開後の母子同室の際の管理義務について

2018年02月05日
母親が予定帝王切開で出産。その後,授乳のため,新生児に啼泣,吸綴反射が確認される度に,助産師が新生児を新生児室から母親のベッドに移動させていた。2回目の母子同室の際,母親は我が子が乳首を吸わず,手を握らなくなったため,様子がおかしいと感じたが,助産師は同室にいた全身麻酔の影響で大声を出していた別の母親の処置を優先させた方が良いと考え,ナースコールはしなかった……(福岡高等裁判所平成27年6月19日判決)
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