医療裁判紹介バックナンバー

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医療裁判:患者の精索捻転症を見落としたとして担当医師の法的責任が問われた事例

2026年01月28日
自宅近くの泌尿器専門医クリニックから紹介を受けた病院を受診した患者(男性。受診当時13歳)が,結果として精索捻転症を原因として左精巣を摘除した。その後,患者が,紹介先の病院に対し,担当医が精索捻転症を見落としたという鑑別の懈怠により左精巣を摘除せざるを得なくなったと主張して損害賠償請求をした。 これに対し,病院側は,精索捻転症を含んだ疾患の鑑別のための超音波検査等,当時の事情に基づく必要な検査と診断を行ったため,鑑別を怠ったことはなかったと反論した。 裁判所は,精索捻転症の鑑別の怠りはなかったとして,患者の請求を棄却した。(名古屋地方裁判所令和3年6月18日判決)

コラム:病理解剖を行う際の遺族の同意について

2025年12月15日
当院で亡くなった入院患者の死因を解明するために病理解剖を予定しています。ただ、遺族はいるようですが、長年交流がなかったようであり連絡先も分かりません。このまま遺族に連絡が取れず承諾を得られなかった場合、病理解剖を実施しても問題ないでしょうか。 また、仮に何人かの遺族と連絡が取れたものの、そのうちの1人が反対した場合はどうすればよいでしょうか。ちなみに、病理解剖について、生前に患者本人から承諾は得ています。 病理解剖を行う際の遺族の同意の要否について教えてください。

医療裁判:インプラント埋入手術時に下歯槽神経を損傷した事例において, 術前検査に注意義務違反があると認定された事例

2025年11月21日
患者(女性,当時20代)が,被告の設置する歯科医院においてインプラント手術を受けた際に,下歯槽神経の損傷が発生した。 患者は,歯科医師には,神経の走行位置を確認した上でインプラントの埋入方向や深度に注意しつつ施術すべき義務があったのにこれを怠り,その結果,患者の左側三叉神経を損傷したとして,被告に対し,診療契約の債務不履行に基づく損害賠償として,慰謝料約500万円の支払を求めた。 これに対し,裁判所は,被告に対し,約290万円の支払いを命じた。

コラム:弁護士会照会と患者情報の開示について

2025年10月31日
Q. 弁護士会から、当院に通院していた患者の医療情報についての照会がありました。交通事故の加害者の弁護士から照会申出がされ、被害者である患者の当院における主訴及び所見、診断内容、治療経過、後遺症の症状固定時期とその内容、また後遺症の内容に患者の既往症や経年性変化の影響があったか否か、仮に影響があった場合の程度について回答を求められ、その根拠として当院でのカルテや検査結果の開示を求められています(参考書式参照)1)。ただ、患者の同意書の添付はありませんでした。 弁護士会照会には回答する義務があるのでしょうか。回答した場合、患者から責任追及されないかが心配です。開示にあたって注意点などがあれば教えてください。

医療裁判:開頭術後に鼻出血があった入院患者に対して経過観察以外の措置を講じなかった当直医の法的責任が問われた事例

2025年09月16日
総合病院において,頭痛を訴えて脳内出血と診断され入院していた患者(男性,本件手術当時74歳)が,開頭血腫除去術(以下,「本件手術」という)を受けた約半日後の深夜,急性呼吸不全により死亡した。その後,患者の妻と子が,病院および当直医に対し,当直医には手術後の鼻出血の止血や気管挿管による気道確保をすべきであったのにこれを怠った過失があるとして損害賠償請求をした…(京都地方裁判所令和4年3月9日判決)

コラム:患者側から面談を求められた際の留意点について

2025年08月25日
当院で治療を受けた患者が、思うように回復しないのは医療ミスではないかと疑い、院長との面談を求めてきています。この場合、そもそも面談に応じたり、面談に応じるとしても院長が対応したりしなければならないのでしょうか。 また、面談の際に、面談内容を録音したいと言われた場合、これに応じなければならないのでしょうか。患者側から面談を求められた場合に気を付けるべき点などについて教えて下さい。

医療裁判:手術直後の患者に対する緊急再挿管後の確認義務違反が認められた事例

2025年08月04日
本件は,全身麻酔下で鼻中隔矯正術,下鼻甲介粘膜切除術および外鼻形成術を受けた後,遷延性意識障害に陥り,その後脳死に伴う多臓器不全を直接の原因として死亡した患者(女性,手術時37歳)遺族が,医師には,気管挿管に関する注意義務違反があったとして,病院に対し損害賠償を求めた事例である……(東京高等裁判所令和4年3月22日判決)

コラム:インバウンド患者への対応における注意点は?

2025年07月15日
当クリニックでもインバウンド患者に対する対応を検討しなければならないと考えているのですが,これまでほとんど経験がないため不安があります。そこで, 1. 日本語の理解が不十分なインバウンド患者が来院した場合,そのことを理由にして診療を断ることができるのか  2. 治療費の不払いを防ぐためどのような点に注意すべきか  教えてください。

医療裁判:喘息治療薬の副作用に関する説明義務違反が否定された事例

2025年04月16日
気管支喘息と診断されてステロイド投与等の治療を受けていた患者(女性,当時40歳女性)が,治療終了後,股関節痛を訴え受診したところ,突発性大腿骨壊死症と診断され,両側人工股関節置換術を受けることになった。 本件は,特発性大腿骨頭壊死症が生じるというステロイド投与の副作用に関する説明義務違反がある等として,患者が病院に対し損害賠償を求めた事案である。 裁判所は,当時において,特発性大腿骨頭壊死症がステロイド投与の副作用であると医療水準として確立していたとはいい難く,患者が特に特発性大腿骨頭壊死症の発生について関心があったなどの事情もないことから,大腿骨壊死症の可能性について説明すべき義務があったとは認められないとして,請求を棄却した。(東京地方裁判所令和4年8月10日判決)

コラム:病棟看護師はどこまで夜間・休日の電話に対応しなければならないか?

2025年03月14日
Q1.夜間や休日の時間帯に入院患者に発生した病態の変化や転倒等の事故について,すぐに患者家族に電話で報告しなければならないかを悩んでいます。 当院では,緊急に治療方針を決めなければいけないような時は,夜間や休日であってもすぐに病棟看護師が家族に電話連絡をしていますが,そうでないときは対応がまちまちで,すぐに電話連絡がなかったことで家族からお叱りを受けることもあります。統一的な対応にした方が良いと思うのですが,法律的に留意することなどあれば教えてください。
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