医療裁判紹介バックナンバー

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医療裁判:入院患者のトイレ介助中にナースコール対応をしたことと 安全配慮義務違反

2026年10月13日
認知症であり転倒歴もあった入院患者(男性:当時87歳)が,深夜勤務の時間帯に尿意を催し,病室に駆け付けた看護師によるトイレ介助を受けている中,ナースコール対応のため看護師がトイレから離れたところ,トイレから一人で出て廊下で転倒し,外傷性くも膜下出血,頭蓋骨骨折の傷害が生じ,両上下肢機能全廃の後遺障害が残り,その後死亡した。本件は,入院患者の相続人が,入院契約上の安全配慮義務違反を主張し,病院に対し損害賠償を求めて訴訟提起した事案である。 裁判所は,看護師には,入院患者がトイレから歩いて出ようとして転倒するおそれが高いことは十分に予見でき,ナースコール対応を優先すべきではなかったとし,安全配慮義務違反を認め,損害賠償請求額の一部認容判決をした。(神戸地方裁判所令和4年11月1日)

コラム:患者からのカルテの写真撮影希望に対して、どのように対応したらよいか?

2026年09月24日
Q.ここのところ、当院では、患者が「診察中にカルテをスマートフォンで写真撮影してよいか」と尋ねてくることが増えています。患者からのカルテの写真撮影希望に対して、どのように対応するのが良いでしょうか。

医療裁判:DNARの意思表示に従い 蘇生措置を行わなかったことが妥当とされた事例

2026年08月31日
誤嚥性肺炎を繰り返し発症していた患者(死亡時74歳,男性)が,前回入院時には自らDNARの意思表示をし,今回入院時には妻がDNARの意思表示をしていたところ,入院翌日の夜に呼吸停止の状態で発見され,死亡した。 これに対し,遺族が,医師らには蘇生措置などを行う義務があったなどと主張し,損害賠償を求めて訴訟提起したものの,請求は棄却された。(名古屋地裁令和5年2月22日判決)

コラム:クリニック従業員の副業解禁の際に注意すべき点は?

2026年08月10日
Q 現在当クリニックでは副業を禁止しています。近年,正規雇用看護師や事務員から副業解禁の申し出が増えていることから,副業を解禁しようと考えています。副業解禁にあたり,当クリニックの対応としてどのような点に注意すべきか教えてください(なお,国公立病院等では副業は禁止されているため,民間の医療機関であることを前提に回答します)。

医療裁判:気管切開後の人工呼吸管理の児について, 自宅療養へ移行する際の療養指導義務違反が肯定された事例

2026年07月21日
本件は,出生後間もなく喉頭軟化症と診断され,気管切開術を受けて人工呼吸器管理となっていた患児(男性。当時0歳)が,自宅療養に移行した翌日に発生したカニューレ事故により心肺停止状態となり,その後,死亡するに至った事案である。 患児(第一審係属中に死亡)や両親は,退院指導を実施した病院や医師において,療養指導義務の違反がある等と主張して,病院を開設する自治体等に対して損害賠償請求を行った。第一審の地方裁判所は請求を棄却したが,控訴審の高等裁判所は医師の過失を認め,請求の一部を認容した。(名古屋高等裁判所令和6年4月18日判決)

コラム:医療記録をスキャンした場合、紙の原本を破棄することは可能か?

2026年06月29日
Q 当医療法人が運営するクリニックでは電子カルテを導入していますが、紙の問診票や紹介状などはファイルに綴って保管しています。今後、保管スペースの都合もあり、可能であれば、全て電子化して保存したいと考えています。スキャンしたデータを電子カルテに添付すれば、元の紙を廃棄してもよいでしょうか。

医療裁判:カルテに記載されていない診療行為(X線写真の読影, 患者への説明)が実際にも行われなかったものとされた事例

2026年06月08日
胸部X線写真上,4ヵ月半前の健康診断時と比べて肋骨の変形が増大していたにもかかわらず,胸部CTやMRI等の検査がなされなかったため,肺腺癌の発見がその約3ヵ月後となった。 そこで,患者の遺族が,病院に対し,骨変形の増大を見落とし整形外科の受診を指示しなかった内科医の注意義務違反を主張し,病院に対して損害賠償を請求した。 裁判所は,カルテに骨変形増大の所見や整形外科の受診指示に関する記載がなされていないことから,内科医が骨変形の増大を見落とし整形外科の受診を指示しなかったと認定し,注意義務違反を認めた。(東京地方裁判所令和2年2月20日判決)

コラム:医療機関における景品表示法の法的規制

2026年05月18日
Q.当クリニックでは、近年流行りの再生医療や免疫療法を中心に医療サービスを提供しております。iPS細胞の培養上清を利用したエクソソームによるしわ・たるみの改善、AGA改善などの美容治療のほか、がん治療、心臓病治療等さまざまな治療を実施しています。最近、景品表示法による行政処分が相次いでいるようですが、以下??の事実関係の下で景品表示法上の問題はあるでしょうか。

医療裁判:気管切開後の人工呼吸管理の児について, 自宅療養へ移行する際の療養指導義務違反が肯定された事例

2026年04月28日
本件は,出生後間もなく喉頭軟化症と診断され,気管切開術を受けて人工呼吸器管理となっていた患児(男性。当時0歳)が,自宅療養に移行した翌日に発生したカニューレ事故により心肺停止状態となり,その後,死亡するに至った事案である。 患児(第一審係属中に死亡)や両親は,退院指導を実施した病院や医師において,療養指導義務の違反がある等と主張して,病院を開設する自治体等に対して損害賠償請求を行った。第一審の地方裁判所は請求を棄却したが,控訴審の高等裁判所は医師の過失を認め,請求の一部を認容した。(名古屋高等裁判所令和6年4月18日判決)

コラム:死亡診断書の記載に誤りがある場合はどうしたらよいか?

2026年02月27日
Q1.私は医師です。私が作成して患者家族に交付した死亡診断書の記載に誤りがありました。 患者家族は,記載が間違っているのではないかと思いながらも役所に死亡届を提出したそうですが,後日,やはり気になるのでと確認のため来院されました。そこで私が確認したところ,確かに死亡診断書の記載が誤っていました。 患者家族は,正しい内容の死亡診断書の再発行が可能であればそうして欲しいと言っているのですが,どのように対応したら良いのでしょうか……
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