医療裁判紹介バックナンバー

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コラム:患者が他患者を殴って傷害を負わせた場合の対応

2024年04月15日
脳卒中のため見当識障害のある入院患者Aさんが,同室でベッドに寝て独語を発していた患者Bさんの顔面を数発殴り,Bさんに大けがを負わせてしまいました。院内で今後の対応を協議したところ以下の疑問点が挙がりましたので,教えてください……。

医療裁判:膀胱刺激症状を訴える患者の膀胱癌の発見が遅れた事例

2024年03月15日
頻尿,陰部の不快感等を訴えて長期通院し,抗菌薬等を処方されていた患者が,精密検査により浸潤性尿路上皮癌が発見され,開腹膀胱前立腺尿道摘除術および回腸導管造設術を受けた結果,永久的にストマを要する状態となった。患者は長期通院していた病院に対し,早期に尿細胞診または膀胱内視鏡検査を行うか,そのような検査可能な医療機関を紹介すべき注意義務違反により,膀胱癌の発見の機会を失わせ,永久的にストマを要する膀胱と直腸の各機能障害の後遺障害を負わせた等として,医師に対し損害賠償を求めた。 審理の結果,請求は棄却された。(大阪地方裁判所令和2年6月24日判決)

コラム:院内パソコン等のモニタリングについて

2024年02月15日
当院では、当院所有のパソコンやタブレットを職員が業務に使用しているのですが、一部の職員が、業務時間中に、私的メールやSNS、ネットサーフィン等をしている疑いが出てきました。確実な証拠がないため、院内パソコン等をモニタリングして、業務時間中の私的利用の事実を確認しようと思うのですが、そもそもこのようなモニタリングをしても大丈夫なのでしょうか。

医療裁判:白内障手術実施中の中止判断

2024年01月15日
左眼老人性白内障に対する白内障手術を受けた患者(女性,当時75歳)が,術後,左眼耳下側の網膜における増殖性硝子体網膜症(PVR)および裂孔原性網膜剥離を発症した。 患者は,執刀医には,本件手術中に眼圧が上昇し,前房が十分確保されない状態となった時点で手術を中止すべき注意義務の違反があったなどと主張して,病院を経営する医療法人および執刀医個人に対して,損害賠償請求を行った。 裁判所は,執刀医の過失を認め,請求の一部を認容した。(鹿児島地方裁判所平成30年5月22日判決)

コラム:研究目的で個人情報を利用する際の注意点(後向き研究の場合)

2023年12月15日
私は大学病院で臨床および研究に従事している医師です。研究で過去の症例情報を利用するものの試料を研究に用いない場合の注意点を教えてください。

コラム:研究目的で個人情報を利用する際の注意点(前向き研究の場合)

2023年11月17日
私は大学病院で臨床および研究に従事している医師ですが,新たに患者から個人情報を取得して研究(前向き研究)に利用する際の注意点を教えてください。

医療裁判:病院側の主張する添付文書の解釈が認められなかった事例

2023年10月16日
発作性夜間ヘモグロビン尿症の治療ため,平成28年4月から大学病院でエクリズマブの継続的な投与を受けていた患者(薬剤師,女性,当時29歳)が,髄膜炎菌感染症に罹患し,同年8月23日死亡した。 患者の相続人が,速やかに抗菌薬を投与すべき義務などに違反したと主張して,大学病院に対して損害賠償を求めたところ,裁判所は大学病院が速やかに抗菌薬を投与する義務を怠ったと認め,損害賠償の請求を認めた。(京都地方裁判所令和3年2月17日判決)

コラム:従業員の不正行為が発覚した場合の対応は?退職金を返還させることはできるのか?

2023年09月19日
私は都内の個人病院で事務長をしている者です。半年前に自己都合で退職した職員が,数年来,賞与を水増しして自身の銀行口座に振り込んでいたことが発覚しました。今後,どのように対応したらよいでしょうか。 また退職金も支払っているのですが,退職金全額を返還させることは可能でしょうか。なお,退職金支給規程には「懲戒解雇された場合又は懲戒事由がある場合は減額あるいは不支給とする」という規定があります。

医療裁判:健康診断の受診者が病院の屋上(屋根あり)の通路上に存在した 水たまりに足を滑らせて転倒したことについて 医療機関の責任が認められた事例 ―医療機関が注意すべき工作物責任とは―

2023年08月18日
健康診断のために病院を訪れた受診者(女性,50代)が,院内の健康診断会場でスリッパに履き替えたうえで,レントゲン検査を受けるために別室に移動して検査を受けた後,同会場に戻るため病院屋上の通路を通る際に,通路上に存在した水たまりに足を滑らせ転倒した事案である。 受診者は,病院を運営する医療法人に対して損害賠償を求めたところ,裁判所は,当該通路がスリッパを履いていることもあり得る健康診断受診者が安全に通行することができる性状を欠いた状態にあったとして,転倒について病院の責任を認め,請求の一部を認容した。(東京地方裁判所令和4年1月27日判決)

コラム:患者が違法薬物を使用していることを認識した場合、警察へ通報してもよいのか?通報しなくてはならないのか?

2023年07月19日
外傷により救急搬送されてきた患者に対し、腎臓の損傷の有無を血尿の有無から確認する目的で採尿を行った際、患者が興奮状態にあったことから尿中の薬物検査も実施したところ、覚せい剤の陽性反応が出ました。(1)患者に覚せい剤の使用が疑われることを、医師の立場から警察に通報してもよいものでしょうか。(2)また、必ず警察に通報しなければならないのでしょうか。
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