医療裁判紹介バックナンバー

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コラム:患者の遺族の一部からカルテ開示請求を受けたら?

2022年11月07日
私が院長を務めているクリニックには認知症外来があるのですが、先日、他院で亡くなった元患者の遺族のひとりから、「カルテ開示請求をしたい」との電話がありました。しかし、そのすぐ後に別の遺族から電話があり、「もし他の遺族からカルテ開示請求があっても絶対に応じないで欲しい」と言われてしまいました。どうやら、この患者の残した遺言の効力について相続人間で争いがあり、そのために遺族のひとりがカルテ開示請求をしてきたということのようです。当院の診療経過には問題はないので開示してもいいのですが、開示すると無用なトラブルに巻き込まれそうで躊躇しています。そこでお聞きしたいのですが…

医療裁判:HIV感染患者に対する治療の拒否が違法とされた事例

2022年10月17日
本件は,歯列矯正治療中にHIV感染が判明した患者に対し歯科医院が治療を継続できない旨伝えたことが,正当な事由のない治療拒否に当たるとして,患者が歯科医院に対し慰謝料の支払いを求めた事案である…(東京地方裁判所令和2年3月5日判決)

コラム:監視カメラを法的に問題なく設置するためには?

2022年09月26日
以下の場面において,病院に監視カメラを設置して撮影録画することを考えていますが,患者のプライバシー等の観点からどのような方法をとれば法的に問題なく設置できるでしょうか。 1.防犯目的で廊下や救急外来に監視カメラを設置すること  2.手技向上のために診察室に監視カメラを設置すること  3.診察中に暴言等を繰り返すクレーマー患者と監視カメラを設置した応接室で話をすること 

医療裁判:白内障手術に関するカルテの改ざんについて損害賠償責任が認められた事例

2022年08月31日
両眼の白内障手術後,左網膜中心動脈閉塞症により左眼失明の後遺障害を負った患者(男性・当時80歳)が,執刀医には,術前説明を怠った過失および術後の眼圧の適切な管理を怠った過失があり,また,執刀医によるカルテの改ざんや虚偽説明によって精神的損害を被ったと主張して損害賠償請求を行った…(東京地方裁判所令和3年4月30日判決)

コラム:紹介状作成と患者の同意(個人情報保護の観点から)

2022年08月03日
当院受診中の患者さんが引っ越すことになり,患者さんから引っ越し先の医療機関を受診するために紹介状の作成を依頼されました。 しかし,併せて患者さんから,一部の病歴についてプライバシーの観点から紹介状に記載しないで欲しいとの要請がありました。私は,転院先の医療機関が医学的に適正な診療を行うためにはすべての病歴を提供する必要があると考えているのですが,どうすれば良いでしょうか。

医療裁判:RFA後の患者が術後出血に伴う出血性ショックで死亡した事例

2022年07月13日
本件は,原発性肝臓癌と診断された患者(男性・当時73歳)が,RFA(ラジオ波焼灼術)を受けたところ,翌日,術後出血による出血性ショックが原因で死亡した事案である…(金沢地方裁判所令和2年3月30日判決)

コラム:DNAR指示等への対応について

2022年06月22日
Q1.カルテに「DNAR」の指示が記載されている患者が呼吸不全に陥りました。この場合、人工呼吸器管理を行ってよいのでしょうか。

医療裁判:心臓カテーテル検査における重症先天性心疾患を有する小児に対する麻酔方法ならびにその管理方法(末梢静脈路確保の重要性と麻酔濃度を低下させる時期)について

2022年06月08日
本件は,重度の先天性心疾患を有する患児(当時2歳)に対し,双方向グレン手術の適応を判断するため,心臓カテーテル検査を実施した際,循環動態が悪化し,低酸素脳症を来し,その後死亡した事案である。 患児の両親が,小児科医のみで吸入麻酔薬ハロタンを使用したのは過失である…(東京地方裁判所平成30年6月21日判決)

コラム:病院の医師が痴漢行為で逮捕された場合はどうすればよいか?

2022年05月25日
当院の医師が,休日に電車の中で痴漢行為をした疑いで逮捕されました。医師が逮捕されたことは初めての経験なので,どうしたらいいのか,どのようになるのか分かりません。当該医師の業務の引き継ぎや処遇など,病院としてどのような対応をとるべきでしょうか。 また,当該医師が,犯行を否認し冤罪を主張している場合はどうすべきでしょうか。

医療裁判:患者の希望を叶えようとして行った処方が過失と認められた事例

2022年05月11日
医師は,脳腫瘍(膠芽腫)の再発により通院中の患者(女性・死亡時43歳)に対し,てんかんによるふらつきを抑えサンバの大会に出場したいという患者の希望を叶えるために必要と考え,抗てんかん薬ラモトリギンを添付文書の用法・用量を遵守せずに処方した。しかし,その後,患者は,ラモトリギンの副作用により薬疹が生じ,その後,中毒性表皮壊死症による両側肺炎および肺出血で死亡した…(東京地方裁判所令和2年6月4日判決)
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