医療裁判紹介バックナンバー
医療裁判:第三者に対する診療経過の開示が不法行為に該当するか
2011年06月02日
C社の従業員Aは,業務中に負傷し,H病院でO医師の診察・治療を受けたが,その後,C社に対して,業務中の負傷に関して損害賠償請求訴訟 (別件訴訟)を提起した。この別件訴訟において,H病院でのAの診療経過が明らかにされたことから…(さいたま地方裁判所川越支部平成22年3月4日判決)
医療裁判:絞扼性イレウスに罹患した会話困難な患者の診断義務
2011年06月01日
患者A(男性,19歳)について,イレウスを念頭においた鑑別診断及び治療を怠った過失があるとして約2100万円の損害賠償請求が認められた事例。(仙台地方裁判所平成22年5月24日判決)
医療裁判:患者が適切な診療行為を受ける期待権
2011年05月01日
Hが開設するI病院において,同病院に勤務していたO医師の執刀により,下肢の骨接合術等の治療を受けたAが,同手術による合併症として下肢深部静脈血栓症を発症し,後遺症が残ったとして,Hらに対し不法行為に基づく損害賠償を求めた事案である。(最高裁平成23年2月25日判決)
医療裁判:診療契約上の顛末報告義務
2011年04月02日
予期せぬ後遺症が遺残した患者に対し、診療録等を示しながら治療の顛末について説明すべき義務があるにもかかわらず、これを怠ったとして損害賠償請求された事案。(大阪地裁平成20年2月21日判決)
医療裁判:同意書を差し入れた患者以外の者に対する医師の説明義務
2011年04月01日
患者Aが,Hクリニックにおいて,精管結紮術による断種手術を受けたところ,その手術後において,Aの妻であるBがAの子を妊娠したことから,同治療に関する施術上の過失および説明義務違反を理由として,A,Bらそれぞれが,債務不履行または不法行為に基づく損害賠償を請求した事案(仙台地方裁判所平成22年9月30日)
医療裁判:他の医療機関によるRh式血液型の報告への信頼が否定された事例
2011年03月08日
臨床病理センターの誤報告に基づき,真実は母親のRh式血液型がRh(−)であるにもかかわらず,母子手帳にRh(+)と記載したことによって,Rh血液型不適合妊娠への対応が取られなかった結果,新生児溶血性疾患が生じ…(札幌地方裁判所昭和57年12月21日判決)
医療裁判:手技ミスがあっても損害がないケース
2011年03月07日
肺がんの治療のためにH病院(大学病院)に入院していた患者に対し,担当医が輸液目的でCVカテーテルを挿入したことに対し,CVカテーテルの挿入手技を誤り,胸背部痛に苦しむ患者を放置した。(東京地裁平成22年9月27日判決)
医療裁判:裁判における診療録以外の資料の扱い
2011年03月06日
肺動脈奇形に対する根治手術を受けた患者が同根治手術中に低酸素脳症となり,手術から4年9か月後に死亡した。(津地裁平成22年1月28日判決)
医療裁判:肝細胞癌に対する術前の説明義務
2011年03月05日
H病院(医大付属病院)において肝細胞癌と診断され開腹手術を実施したが術中に細胞癌が見つからず,その後肺癌で死亡した。(京都地方裁判所平成14年3月12日判決)
医療裁判:強制退院の合法性について
2011年03月04日
入院診療が必要でない患者が,5年以上にわたり入院を継続し退院を拒否し続けたため,医療機関側が患者に対し,病院からの退去等を求めて訴訟を提起した。(名古屋高裁平成20年12月2日)