医療裁判紹介バックナンバー

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医療裁判:専門医でない当直医の過失

2011年12月01日
本件は,Aは,Hが開設するI病院を受診した後,帰宅途中に救急搬送され,急性心筋梗塞により死亡したところ,Aの相続人Bらが,I病院のO医師に診療上の過失があると主張して,Hに対し不法行為に基づく損害賠償請求をした事案である。第1審は,Bらの請求を一部認容して損害賠償を認めたことから,Hが,これを不服として控訴したところ,O医師がAに見られた所見から急性心筋梗塞を含む急性冠症候群の疑いを持つことが可能であったと認めることはできないとして,第1審の認容部分を取り消し,Bらの請求を棄却したというのが本判決である。(福岡高等裁判所平成22年11月26日判決)

医療裁判:治験薬投与の実施と説明義務

2011年11月02日
化学療法実施後に非小細胞肺ガン(ステージIV期)を再発した患者に対し、第II相臨床試験中の抗ガン剤の試験参加を勧め実施されたが、薬剤性間質性肺炎に罹患し死亡したことに関し、不適切な治験薬投与であったこと及び説明義務違反があったことを理由に損害賠償請求訴訟が提起された事例。(大阪地方裁判所平成23年1月31日)

医療裁判:手技選択に関し医師の責任が認められた事案

2011年11月01日
口蓋扁桃肥大,睡眠時無呼吸症候群と診断された患者に対し,口蓋扁桃摘出術を実施したところ,手術後に口腔内から出血,これにより患者が窒息したため心肺停止後蘇生するも,患者において,低酸素脳症を発症,遷延意識障害,四肢麻痺等の症状が遺残した事案。(広島地方裁判所平成23年2月23日)

医療裁判:医療水準の認定におけるガイドラインの位置付け

2011年10月02日
後縦靭帯骨化症前方除圧術の除圧幅についての判断基準として,基礎となっている論文等が診療行為時に既に発表されていることを理由とし,診療行為時には策定されていなかったガイドラインが裁判所の判断に採用された事例(大阪地方裁判所平成21年11月25日判決)

医療裁判:医薬品添付文書の記載の解釈

2011年10月01日
マイリスVT(子宮頸管熟化剤)及びプロスタルモンE(分娩誘発剤)の投与後に胎児心音が急激に低下し帝王切開により娩出された新生児Aが,重度の虚血性低酸素性脳症に罹患し,約2年4か月後に死亡した事案。(大津地方裁判所平成23年1月13日判決)

医療裁判:医師の処方指示に対する薬剤師の疑義照会義務

2011年09月02日
入院中の患者A(男性,66歳)について,H病院担当医が常用量の5倍のベナンバックスを処方指示し,薬剤師が処方せんのままに調剤して,患者に投与された結果,患者Aが死亡したことについて医師・薬剤師に約2365万円の損害賠償義務が認められた事例。(請求額約1億391万円)(東京地方裁判所平成23年2月10日判決)

医療裁判:抜歯手術における歯科医師の義務

2011年09月01日
本件は,O歯科医師の歯科治療(抜歯手術)により下顎骨骨折等の傷害を被ったとするAが,O歯科医師の相続人Pに対し,不法行為又は治療行為の債務不履行に基づき,損害賠償を求めた事案である。(富山地方裁判所平成19年1月19日判決)

医療裁判:異物遺残の場合における慰謝料

2011年08月01日
手術の際に眼球周辺に異物を遺残されたことにより強い精神的苦痛を受けたとしてなされた損害賠償請求につき、その請求を一部認容した事案。(東京地裁平成22年8月30日判決)

医療裁判:医師の責任の有無の判断と患者への対応

2011年07月02日
続発緑内障等の治療中であったAが,失明したのはH病院O医師らの過失によるものとして,損害賠償を請求した事案(請求額:患者から1億5993万9849円,患者の妻Bから550万円)。(東京地方裁判所平成20年2月20日判決)

医療裁判:入院精査を拒む患者に対する説明義務の範囲

2011年07月01日
大動脈弁閉鎖不全症等により突然死の危険性があった患者A(47歳男性),に対し,担当のH医師が複数回にわたり入院精査をするよう説得したが,Aはこれを拒否し続けた。そこでHはAを経過観察としたが…(東京地裁平成18年10月18日判決)
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