HFmrEF/HFpEFに対するフィネレノンの効果を詳細解析:FINEARTS-HF二次分析
Finerenone in Women and Men With Heart Failure With Mildly Reduced or Preserved Ejection Fraction: A Secondary Analysis of the FINEARTS-HF Randomized Clinical Trial
背景
非ステロイド型選択的MR拮抗薬フィネレノン治療の性別に応じた安全性と有効性は。
イギリスUniversity of GlasgowのMcMurrayらは、HFmrEF/HFpEFにおけるMRAのメリットを示したFINEARTS-HFの第3相RCT(https://www.medicalonline.jp/review/detail?id=11549)の二次分析を行い、これを評価した。
一次アウトカムは、心血管死とHFイベント(初回および再発)の複合(予定外のHF入院または緊急HF受診)であった。
結論
一次アウトカム発生率は、100人年あたり女性(15.7)が男性(16.8)よりわずかに低かった。プラセボと比較すると、フィネレノンは女性と男性で同様に一次アウトカムリスクを低下させた(率比 0.78 vs. 0.88)。一次アウトカムの構成要素と全死亡リスクには一貫した効果が観察された。ベースラインから12ヵ月までのKCCQ-TSSの平均増加(改善)は、性別に関係なく、フィネレノンの方が大きかった(p for interaction=0.73)。
評価
FINEARTS-HFには二つのサブ解析が発表されているが、この英解析は、ベースラインLVEFおよび性別に関係のない一次アウトカム効果を示したものである。女性参加者が半数を占めたこの試験での結果は重要であり、また、女性のLVEFが高いことを考慮すると、さらに注目に値する。なお、もう一つのサブ解析は、同薬の効果が、直近に悪化した心不全に対してより有効である、としている(https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/CIRCULATIONAHA.124.072011)。