新規冠動脈病変に対するDCB、DESに非劣性を示せず:REC-CAGEFREE I
Drug-coated balloon angioplasty with rescue stenting versus intended stenting for the treatment of patients with de novo coronary artery lesions (REC-CAGEFREE I): an open-label, randomised, non-inferiority trial

カテゴリー
循環器、Top Journal
ジャーナル名
The Lancet
年月
September 2024
404
開始ページ
1040

背景

薬剤コーティングバルーン(DCB)血管形成術は現在、in-stent再狭窄に用いられているが、新規(de novo)病変への治療効果は。
中国Fourth Military Medical UniversityのTaoら(REC-CAGEFREE I)は、同国43施設において新規非複雑性冠動脈疾患患者2,272名を緊急ステント留置を伴うDCB血管形成術(Swide DCB, Shenqi Medical)とDES留置に割り付ける非劣性RCTを行った(追跡期間中央値 734日)。
一次アウトカムは、24ヵ月時点で評価されたデバイス関連複合エンドポイント(DoCE:心血管死・標的血管心筋梗塞・標的病変血行再建術[TLR])である。DCB群の9.4%が、緊急DES留置を受けた。

結論

DCBのDESに対する一次エンドポイント非劣性を認めなかった(累積イベント発生率リスク差 3.04%)。介入中、急性血管閉塞はDCB群では発生せず、DES群で0.1%に発生した。周術期心筋梗塞(PMI)はDCB群の0.9%、DES群の0.8%に発生した。

評価

観察研究や代替エンドポイントを使用した小規模RCTで示唆されていた仮説を検証する初めての大規模RCTだったが、失敗した。特に、TLRの必要性に関し劣性である可能性が示されたことは問題である。また大血管の場合も、DCBはDESに劣性であった。著者らは、小血管病変における有益性データを検証すべく延長追跡する、としている。この方向は、BASKET-SMALL 2(https://www.medicalonline.jp/review/detail?id=1462)結果でも示唆されており、そこでは、小血管病変の患者に対するSeQuent Please DCBは、1年時点でDESに対し非劣性であった。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)