DCBのDESに対する長期非劣性を確認:BASKET-SMALL2
Long-term efficacy and safety of drug-coated balloons versus drug-eluting stents for small coronary artery disease (BASKET-SMALL 2): 3-year follow-up of a randomised, non-inferiority trial

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
The Lancet
年月
November 2020
396
開始ページ
1504

背景

BASKET-SMALL2は、PCI施行患者の1年間MACEに関し、薬剤コーティングバルーン(DCB)の薬剤溶出ステント(DES)に対する非劣性を報告した。同試験のスイスUniversity of BaselのJegerらは、参照血管径<3mmの小冠動脈に新規病変を生じたPCI予定患者758名を対象とした同試験の長期成績報告を行った(追跡期間3年)。

結論

MACE率はDCB・DES両群とも15%であり、心臓死(5% vs. 4%)・非致死性MI(両群とも6%)・TVR(両群とも9%)であった。全死因死亡率も同様であった(8%)。Probable/definiteステント血栓症(1% vs. 2%)・大出血(2% vs. 4%)は、DCBで少ない傾向にあった。

評価

獲得径が少ない小径病変でもDCBの長期非劣性が示され、長期合併症やDAPT期間の点からもその利点は大きい。DCB拡張不良例(DES留置)ではMACEリスクが高く、適応症例の検討が必要である。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)