AFに対するパルスフィールドアブレーションの安全性を確認:MANIFEST-17K
Safety of pulsed field ablation in more than 17,000 patients with atrial fibrillation in the MANIFEST-17K study
背景
心房細動(AF)に対するパルスフィールドアブレーション(PFA)は、FDA承認された最新のアブレーション モダリティで、心筋組織への選択性が高く、周辺組織の損傷を低減することが示唆されている。
アメリカIcahn School of Medicine at Mount SinaiのReddyら(MANIFEST-17K)は、2021年に106施設でPentaspline PFAカテーテルを用いたPFA手術を受けた発作性・持続性AF患者17,642名を分析する後向観察研究を行い、PFAの安全性を評価した。
結論
食道や横隔神経、肺静脈といった周辺組織に関する合併症はなかった(一過性の横隔神経麻痺は0.06%で発生した)。全体的な主要合併症の発生率は1%で、心タンポナーデ0.36%、血管イベント0.30%、脳卒中0.12%、死亡0.03%であった。PFAの予期せぬ合併症は、冠動脈痙攣(0.14%)と血液透析を必要とする溶血関連急性腎不全(0.03%)であった。
評価
PFAは、発作性AF患者707名を対象としたADVENTで、従来型高周波アブレーション/クライオバルーンアブレーションに非劣性であることを示している(https://www.medicalonline.jp/review/detail?id=9788)。今回の承認後検証は、従来型アブレーションの安全性問題が、多数症例への実施後に明らかになったことに鑑みたもので、初めて報告された大規模集団でのその良好な安全性プロファイルは、PFAが従来型に優るとも劣らないことを示唆する。