パルスフィールドアブレーションはAFアブレーション治療にADVENTをもたらすか
Pulsed Field or Conventional Thermal Ablation for Paroxysmal Atrial Fibrillation
背景
パルスフィールドアブレーションは、現在のアブレーション心房細動(AF)治療の限界性を突破する次世代手法になりえるのか。
アメリカ Icahn School of Medicine at Mount SinaiのReddyら(ADVENT)は、305名の薬剤抵抗性発作性AF患者を対象として、これを検証する非劣性RCTを行った。患者を、パルスフィールドアブレーション施行群と従来型高周波アブレーションまたはクライオバルーンアブレーション施行群に割り付けた。一次有効性エンドポイントは、初回手技の失敗および3ヵ月間のブランキング時間後での心房性頻脈性不整脈・抗不整脈薬使用・電気的除細動・再アブレーションの複合の非発生、一次安全性エンドポイントは、デバイス関連または手技関連の急性・慢性重篤有害事象である。
結論
パルスフィールドアブレーションの従来型アブレーションに対する非劣性を認めた。一次有効性エンドポイントでは群間差2.0%ポイント、一次安全性エンドポイントでは群間差0.6%ポイントであった。
評価
全体的には、処置時間が短いがAF再発抑止効果で差はほとんどなく、安全性に関しては問題はないだろうが、確定的な結論は時期尚早、ということとなろう。一定の代替オプションであることは確実だが、次世代手法とは言い難い。