写真現像の銀塩増幅技術を応用し、ウイルスなどの高感度(*1)検出を実現 感染症検査装置「富士ドライケム IMMUNO AG2(イムノ エージーツー)」新発売

バーコードリーダーなど、検査の効率化をサポートする機能を新たに搭載

富士フイルムメディカル株式会社
2018年2月19日

2018年2月19日
富士フイルム株式会社


富士フイルム株式会社(社長:助野 健児)は、インフルエンザやマイコプラズマ肺炎などの感染症を引き起こすウイルスや細菌の有無を自動判定する感染症検査装置「富士ドライケム IMMUNO AG2(イムノ エージーツー)」(以下、「IMMUNO AG2」)を、富士フイルムメディカル株式会社(社長:新延 晶雄)を通じて2018年2月20日に発売します。本製品は、写真の現像プロセスで用いる銀塩増幅技術を応用した、ウイルスや細菌の高感度検出が可能で、新たに検査の効率化をサポートする機能を搭載しています。

2月23日、24日にグランドプリンスホテル新高輪(東京都港区)で開催される「第33回日本環境感染学会総会・学術集会」に本製品を出展いたします。

医療現場では、インフルエンザやマイコプラズマ肺炎などの感染症の重症化や二次感染を防ぐために、発症初期における迅速かつ正確な検査が求められています。当社は、写真の現像プロセスで用いる銀塩増幅技術を応用した「銀増幅イムノクロマト法(*2)を用いた高感度迅速検査技術」によって、従来法に比べて約100倍の高感度でウイルスを検出できる、高感度イムノクロマト法インフルエンザ検査システム(*3)を2011年に発売しました。本システムは、「IMMUNO AG1(エージーワン)」と試薬カートリッジのセットで、発症初期などウイルスや細菌の量が少ない状態でも検出でき、3分半〜15分で判定結果が得られることなどが高く評価され、医療機関への導入が進んでいます。また、本システムは、試薬カートリッジに示された測定結果を自動判定することで、判定の誤差を無くし、同一基準による客観的なデータが得られます。発売以降、専用試薬のラインアップを拡充し、現在は肺炎マイコプラズマやアデノウイルス、RSウイルスなどの検査にも対応しています。

今回発売する「富士ドライケム IMMUNO AG2」は、ウイルスなどの高感度検出に加えて、検査の効率化をサポートするさまざまな機能を搭載した感染症検査装置です。新たに、電子カルテに検査データを直接送信できるようになり、またバーコードリーダーを内蔵したことで、検体の容器にラベリングされたIDや操作者のIDカードを読み取り、判定結果と合わせて病院内の電子カルテに送信できるようになりました。これにより、大病院など検査数が多い医療機関での、検体の取り違いや検査データの入力ミスの抑制、検査ワークフローの効率化に貢献します。本システムで得た検査データは、医療情報交換の国際標準規格である「HL7(*4)フォーマット」で出力可能です。また、複数台の「IMMUNO AG2」を使用する場合に、各機器をオプションのデータ処理支援システム「MiniNet イムノオンライン」と繋げば、検査データを一元管理できるなど、導入施設のニーズに合わせてネットワークを構築することができます。



本製品は、従来機の約半分にあたる横幅100mmの省スペースなタテ型デザインを採用。検査の進行状況や判定結果は、本体前面の視認性の高いカラー液晶タッチパネルに表示されます。検査終了は、自動判定後に画面の点滅とアラーム音で通知されるので、時間管理の必要がなく、機器から離れていても検査の進捗状況が分かります。

なお、本システムに採用されている「銀増幅イムノクロマト法を用いた高感度な迅速診断技術」は、公益社団法人日本化学会(会長:山本 尚)の第66回(平成29年度)化学技術賞(*5)を受賞しました。

富士フイルムは、これからも医療現場のニーズにこたえる幅広い製品・サービスの提供を通じて、さらなる診断の効率化と医療の質の向上に貢献していきます。


*1 標識の増幅処理を行わない金コロイド標識や、着色ラテックス標識を用いた一般的な迅速診断試薬との比較で、検体中のウイルスや細菌の量が約100分の1の場合でも、検出可能。

*2 試薬に滴下した検体(鼻腔ぬぐい液など)中に被検物質(ウイルス等)が存在すると、試薬中の標識抗体と結合して抗原抗体複合体が生成され、この複合体があらかじめ検出ライン上に線状に塗布された抗体に捕捉されると、陽性(抗原あり)を示す色付きのラインが表示される検査方式。簡便迅速に結果を得られることから、処置を急ぐ必要がある感染症の検査に多用されている。

*3 デンシトメトリー分析装置「富士ドライケム IMMUNO AG1(届出番号:14B2X10002000104)」と専用試薬「富士ドライケム IMMUNO   AG カートリッジ FluAB(承認番号:22300AMX00569000)」と組み合わせて使用する定性免疫診断装置。

*4 Health Level Sevenの略。

*5 日本の化学工業の技術に関して特に顕著な業績のあった者に贈られる賞。

<参考>写真の現像プロセスを応用した「銀増幅イムノクロマト法」





1. 品名
富士ドライケム IMMUNO AG2
(一般的名称:デンシトメトリー分析装置/届出番号:14B2X10002000123)

2. 発売日
2018年2月20日

3. 主な特長
(1)写真現像の銀塩増幅技術を応用し、高感度化を実現
写真の現像プロセスで用いる銀塩増幅技術の応用により、検体中の抗原に反応する金コロイド標識の周りで銀を増幅させ、標識のサイズを約100倍に拡大し、判定ラインをはっきり表示します。これにより、ウイルスや細菌の量が少ない発症初期における検出精度を大幅に向上させました。

(2)簡単操作で時間管理不要の自動判定
患者から採取した検体を滴下した「富士ドライケム IMMUNO AG カートリッジ」を本製品に挿入するだけで、3分半〜15分で簡単に判定ができます。また、測定結果を自動判定することで判定の誤差を無くし、同一基準による客観的なデータが得られます。検査終了は、自動判定後に画面の点滅とアラーム音で通知されるので、時間管理の必要がなく、機器から離れていても検査の進捗状況が分かります。

(3)院内システムとの連携が可能
新たにバーコードリーダーを内蔵するとともに、電子カルテへの検査データの送信に対応。バーコードリーダーで、検体の容器にラベリングされたIDや操作者のIDカードを読み取り、判定結果と紐付けて電子カルテに直接送信できます。これにより、検体の取り違いや検査データの入力ミスの抑制、検査ワークフローの大幅な効率化に貢献します。なお、本システムで得た検査データは、医療情報交換の国際標準規格「HL7フォーマット」で出力することができます。

(4)現場のニーズを汲んだデザイン
従来機の約半分にあたる横幅100mmのスリムなタテ型デザインを採用し、省スペース化を実現。また、機器本体は、凹凸が少なく、清掃がしやすい形状です。
液晶画面の表示には、黒背景に白色およびオレンジ色の文字を採用し、視認性を向上させました。また、検査終了が、画面の点滅とアラーム音で通知されるため、機器から離れていても検査の進捗状況が分かります。

4. 主な仕様
外形寸法:100mm(幅)×200mm(奥行)×200mm(高さ)
重量:約2.3kg
電源電圧:AC100V 50-60Hz

5. 専用試薬 ※試薬は、従来機「IMMUNO AG1」と共通です



【お問い合わせ先】
本件に関するお問い合わせは、下記にお願いいたします。

お客さま 富士フイルムメディカル株式会社 営業本部 マーケティング部
TEL 03-6419-8033
報道関係 富士フイルム株式会社 コーポレートコミュニケーション部
TEL 03-6271-2000

企業サイトURL
http://fms.fujifilm.co.jp/
ニュース・プレスリリース
http://www.fujifilm.co.jp/corporate/news/articleffnr_1263.html

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