日本初の条件付きMRI対応植込み型除細動器(ICD)および両室ペーシング機能付き植込み型除細動器(CRT-D)を発売

―世界唯一の条件付きMRI対応ICD/CRT-Dシステム―脳梗塞の診断・治療後の経過観察に有用な MRI検査に条件付きで対応可能

バイオトロニックジャパン株式会社
2013年10月1日

報道関係各位

2014年1月
バイオトロニックジャパン株式会社


バイオトロニックジャパン株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:ジェフリー・アニス)は、2013年 10月 1日より、日本初の条件付き MRI対応植込み型除細動器(以下 ICD)および条件付きMRI対応両室ペーシング機能付き植込み型除細動器(以下 CRT-D) 「イレスト 7 Proシリーズ」と、関連する条件付き MRI対応植込み型除細動器・ペースメーカリードの販売を開始いたします。

ドイツ・バイオトロニック社は世界で唯一、条件付き MRI対応 ICD/CRT-Dを提供しているメーカーであり、この度日本で発売になる「イレスト 7 Proシリーズ」は DF4コネクタを有する世界初かつ唯一の条件付き MRI対応 ICD/CRT-Dです。

「イレスト 7 Proシリーズ」と特定の条件付き MRI対応植込み型除細動器・ペースメーカリードを植込んだ患者さんは、撮像可能条件を満たすことで、これまで ICD/CRT-Dでは禁忌であった MRI検査を受けることが可能になります。

MRIは、強力な磁場と電波を利用して体内の断層撮影を行うもので、脳梗塞などの標準的診断ツールとして多用されています。 MRIは、コンピューター断層撮影( CT)に比べ、脳組織や脊髄など軟部組織の描出に優れており、 X線を使用しないので放射線被爆の心配がなく、経過観察の為に繰り返し使用されることもあります。しかし、これまで ICDや CRT-Dを植込んだ患者さんは、パルスの抑制や不適切な不整脈治療の実施、回路の損傷、リードの発熱などの懸念があることから、 MRIの使用は「禁忌」とされてきました。そのため ICDや CRT-Dが植込まれている患者さんはその他の代替診断ツールしか使用できないという制限がありました。

ICDや CRT-Dを植込む患者さんは心房細動を合併することも少なくなく、心原性脳梗塞のリスクを潜在的に有しています。脳梗塞の診断や経過観察に有用な MRI検査を受けることができるようになることは、これらの患者さんにとって福音となるに違いありません。

バイオトロニック社は 2003年よりペースメーカや ICD、CRT-Dを MRI対応とするため為の研究開発に着手しました。強磁性体をいん小化し様々な試験を繰り返すことでその安全性を確認し、 2010年に条件付きで MRI対応可能なペースメーカ、 2011年に世界で初めて条件付きで MRI対応可能な ICD/CRT-Dシステムの製品化に成功しました。

本邦ではバイオトロニック社の日本法人であるバイオトロニックジャパン株式会社が条件付き MRI対応ペースメーカ「Evia Proシリーズ」、「 Estella Proシリーズ」の薬事承認を 2013年 2月に取得、同年 4月より販売を開始しています。また条件付き MRI対応 ICDおよび CRT-Dについては本年 7月に薬事承認を取得、 8月 21日に開催された中央社会保険医療協議会にて本年 10月 1日からの保険適用が決定されました。

また、バイオトロニック社の提供する植込み型心臓デバイスには、ホームモニタリング機能が備わっており、このホームモニタリング機能によって、医師が患者さんの日々の心臓データを遠隔で確認することができ、患者さんの不安を軽減することができます。この条件付き MRI対応 ICD/CRT-D 「イレスト 7 Proシリーズ」にも、このデイリーでワイヤレス全自動の遠隔モニタリング機能が搭載されているため、 MRI検査前後の患者さんの状態を確認できるだけでなく、無症候性心房細動などの早期発見および早期治療開始が期待できます。

MRI検査における条件について
「イレスト 7 Proシリーズ」を植込んだ患者さんが MRI検査を受けるためには、一定の条件を満たす必要があります。また、 MRI検査は関連学会が策定した施設基準を満たした医療機関で実施可能となります。


MRI装置が 1.5テスラの円筒型ボアタイプである必要があります。また撮像にあたっては、患者さんの検査の時の姿勢の一部制限や撮像部位を胸部・上腹部以外でお願いするなどの条件があります。

<患者さん側の条件>
患者さんに植込まれている ICDや CRT-Dとリード線(導線)の組み合わせの条件を満たす必要があります。また、条件を満たす組み合わせの機器以外の MRI非対応の植込み機器が植込まれていると MRI検査はできません。他にも、条件付き MRI対応製品の植込みから 6週間は MRI検査ができなかったり、MRI検査直前の検査で機器の管理上の測定値が許容範囲を外れた場合などにも MRI検査ができないなどの条件があります。

条件付き MRI対応デバイスに関する医療従事者および患者さん向け Webサイト
http://www.pro-mri.jp/

植込み型心臓ペースメーカとは
植込み型心臓ペースメーカは、電子回路と電池を密封したペースメーカ本体と、リード線と呼ばれる電気刺激を心臓へ送ったり、心臓の自己収縮を感知する導線で構成されています。一般に、ペースメーカ本体は胸壁に植え込まれ、ペースメーカ本体と接続したリード線は、右心房か右心室のどちらか一方、またはその両方に留置されます。植込み型心臓ペースメーカは、徐脈に伴う息切れや、めまい、失神など症状が出現した際に適応の有無が検討され、必要に応じて植え込まれる医療機器です。

ICD(植込み型除細動器)とは
ICDとは、植込み型除細動器( Implantable Cardioverter Defibrillator)の略語です。
突然死の原因の半数を占めるといわれる致死性不整脈治療のために植え込む医療機器です。致死性の不整脈が起こった時、その不整脈を自動的に検出し、抗頻拍ペーシング呼ばれる速いペーシング治療や、除細動治療、つまり電気ショック治療を行なうことができる医療機器です。言わば、植込み型の高機能 AEDのような医療機器です。

CRT-D(除細動機能付き両心室ペースメーカ)とは
CRTとは、心臓再同期療法( Cardiac Resynchronization Therapy)の略語です。
CRTは、心室内伝導遅延や、心室同期不全を有する、心臓のポンプ機能が低下した心不全に有効な治療と言われています。一般に、ペーシング部位は、右心室と左心室の両心室、および右心房の 3点です。左心室リードは、冠状静脈洞を経由して左心室自由壁の冠状静脈内に留置されます。両室ペーシング機能付きの ICDは、「CRT-D」と呼ばれています。

バイオトロニック社のホームモニタリング®について
ホームモニタリング®はバイオトロニックによって開発された心臓植込み型デバイステクノロジーの革新的製品です。これによりインターネット接続が可能なコンピューターがあれば、世界中のどこからでも、医師は継続的に患者さんの心臓の状態をモニタリングすることができます。ホームモニタリング®はワイヤレスかつ全自動ですので患者さんの手を煩わせる必要はありません。バイオトロニックのホームモニタリング®は、患者さんの心臓の状態と植込まれたデバイスの状態を毎日アップデートします。また、心拍リズムの変化、バッテリー残量低下、デバイスの状態の変化など、臨床的に重要なイベントが発生した際には、システムより医療機関へお知らせメールが配信されます。それにより、医師は即座に、しかも簡単に患者さんの医療情報を確認することができます。必要があれば外来受診を促し、投薬やデバイス設定の調整などを行い、患者さんの状態が悪化するのを防ぐことができます。さらに、ホームモニタリング®は、医療機関での定期フォローアップを減らすことで患者さんの時間と医療現場の資源を潜在的に節約することができます。

BIOTRONIK社について
バイオトロニック社は世界を代表する心臓血管関連の医療機器製造業者の1つで、ドイツのベルリン本社をはじめとして全世界に 5,600人以上の従業員を抱え、100カ国以上にわたりビジネスを展開し、数百万個の機器の植込み実績を誇っています。1963年にドイツ初の植込み型心臓ペースメーカを開発して以来、BIOTRONIKは、市場にいくつものイノベーションを発表してきました。その代表的なものとして、2000年に米国で導入された世界初の心臓植込み型デバイスの遠隔モニタリングシステムであるBIOTRONIK Home Monitoring®や、2012年に欧州で認可された世界初の条件付き MRI対応植込み型除細動器および両室ペーシング機能付き植込み型除細動器などがあります。 今年 BIOTRONIKは 50周年を迎えました。

バイオトロニックジャパン株式会社について
バイオトロニックジャパン株式会社は、ドイツ・バイオトロニック社のいん新の心疾患治療技術をいち早く日本に導入するため、2003年 10月に日本ビオトロニック株式会社として設立された日本法人です。2005年 9月にバイオトロニックジャパン株式会社と改名しました。ドイツ企業特有の技術力と製品開発力、医師および患者さんのニーズを素早く反映するスピードを活かし今後も日本におけるいん先端技術のイノベーションを目指して活動してまいります。
http://www.biotronik.jp

【お問い合わせ先】
バイオトロニックジャパン株式会社
マーケティング部
小霜 彰
Tel: 03-3473-7476
E-mail: akira.koshimo@biotronik.co.jp

企業サイトURL
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