富士フイルムの独自技術で小型化を実現 動物病院で迅速な甲状腺機能検査が可能に!免疫診断システム「IMMUNO AU10V(イムノ エーユーテンブイ)」新発売
- 富士フイルムメディカル株式会社
- 2013年10月31日
富士フイルム株式会社(社長:中島 成博)は、色素化合物合成技術を応用した独自のSPF原理(*1)を実用化し、動物病院施設内での簡単・迅速なホルモン検査を可能にした小型の免疫診断システム「富士ドライケム IMMUNO AU10V(イムノ エーユーテンブイ)」および、AU10付属品の犬甲状腺機能検査用試薬、「富士ドライケム IMMUNO AU カートリッジ v-T4」、「富士ドライケム IMMUNO AU カートリッジ vc-TSH」を、11月1日から富士フイルムメディカル株式会社(社長:平井 治郎)を通じて発売いたします。
近年、ペットの平均寿命が大きく伸び、高齢のペット(*2)が増えています。 これに伴い、高齢が原因で発症すると考えられる病気に罹患するペットも増えています。 その代表的な病気の一つである甲状腺機能障害(*3)は、皮膚のただれや無気力化などの症状を引き起こしますが、早期に的確な診断、治療を行えば、軽快します。 甲状腺機能は、大型な検査装置を用いて血液中の甲状腺ホルモン量を測定して検査するため、多くの動物病院では血液を採取後、外部の検査機関へ検査を委託しています。 そのため、検査結果が出るまでに時間がかかり、獣医師がすぐに原因が特定できませんでした。 また、ペットの飼い主は、検査結果の確認や治療のために再度来院しなければならないため、動物病院へ導入できる小型の即時検査システムが求められていました。
今回発売する「IMMUNO AU10V」は、抗原抗体反応を利用した免疫診断システムとして世界で初めて(*4)SPF原理を実用化し、従来行われていた微量な体内中のホルモン濃度の測定に必要な強力な光源や測定ノイズを低減させる洗浄操作機能を不要にすることで超小型化を実現しました。 測定時間は約10分で、来院中に結果を確認し、ペットの飼い主へ説明できるため、早期の的確な診断・治療に役立てることができます。
また、甲状腺ホルモン「T4」に加え、低濃度のため従来の院内検査用システムでは測定が出来なかった甲状腺刺激ホルモン「TSH」も、検査することができます。 甲状腺ホルモンと甲状腺刺激ホルモンが同時に測定できることで、より早期段階での甲状腺機能障害の診断が期待されます。
世界初となったSPF原理の実用化においては、当社が「写ルンです」等のプラスチックレンズ成型技術(*5)によって新たに開発した軽量かつ高精度なプラスチック製プリズムと、写真フィルムの色素化合物の研究で培った技術によって開発した高感度な蛍光粒子を活用しています。
富士フイルムは、動物病院市場において、生化学検査分野だけでなく、デジタルX線画像診断分野や超音波検査など多岐にわたる製品をラインアップしており、さまざまな施設に導入されています。 今後も、先進・独自の技術をもって取り組み、さらなる動物医療の質の向上に貢献いたします。
*1 表面プラズモン増強蛍光(Surface Plasmon-enhanced Fluorescence)は小型・簡便な装置でありながら定量高感度な検査システムを提供できる技術です。具体的には高精度なプリズムレンズを用いて光をある角度で照射させることで、金膜近傍の蛍光粒子のみ光らせる事ができ高感度に測定できます。
*2 2012年度調査(アニコム調べ)で、国内の1985年から2012年のペット平均寿命は、犬で8歳から13.9歳、猫で11歳から14.5歳と大きく伸び、年齢別の飼育頭数比率も犬の45%が7歳以上の高齢、猫の38%が7歳以上の高齢となっています。
*3 甲状腺機能が低下するとT4というホルモンの体内濃度が減少する。それにより代謝機能が異常をきたし、脱毛、無気力、等の症状が見られる。高齢の犬に多く、近年のペットの高齢化により発生頻度が増えて来ている。
*4 2013年10月末時点。抗原抗体反応を利用した免疫診断システムにおいて(当社調べ)。
*5 非球面プラスチックレンズ成形は、プラスチック素材を溶かし金型に流し込み、成形機でプレスして光学レンズとして求められる精度に作り上げていく加工方法が用いられます。当社はサブミクロン(10,000分の1mm)単位の高精度加工が可能です。
1. 発売日
平成25年11月1日
2. 製品名
◇動物用医療機器
富士ドライケム IMMUNO AU10V(薬事承認番号:23動薬第1450号-2)
◇動物用医療機器付属品
富士ドライケム IMMUNO AU カートリッジ v-T4(富士ドライケム IMMUNO AU10V の付属品)
富士ドライケム IMMUNO AU カートリッジ vc-TSH(富士ドライケム IMMUNO AU10V の付属品)
3. 標準ユーザー渡し価格(税別)
富士ドライケム IMMUNO AU10V : 1,200,000円
富士ドライケム IMMUNO AU カートリッジ v-T4 : 10個入り 23,600円
富士ドライケム IMMUNO AU カートリッジ vc-TSH : 10個入り 36,000円
4. SPF原理と測定の仕組み(TSHの例)
□小型・迅速測定
SPF原理により金膜近傍の蛍光粒子のみ光る。
→ 通常の免疫測定装置で必要であった洗浄工程(B/F分離)が不要となり、迅速に測定結果を得られるコンパクトなシステムが構築可能。
□簡単測定
カートリッジ、検体、消耗品を本体にセットし、スタート指示だけで自動測定。
5. システムの主な特長
(1) 軽量・コンパクト
238mm(幅)×326mm(奥行)×310mm(高さ)のコンパクト設計、重量も7kg。設置場所を選びません。
(2) 簡単操作
操作ステップは 【1】カートリッジ、検体および消耗品をセット、【2】STARTを押す、の2ステップ。約10分で測定結果が得られます。
(3) T4、TSHの2項目測定
T4、TSH両方の検査が可能となることで、甲状腺機能障害の特定確立を向上させる事が期待できます。
6. 主な仕様
製品名:富士ドライケム IMMUNO AU10V
測定方式:表面プラズモン増強を利用した蛍光測定方法
外形寸法:238mm(幅)×326mm(奥行)×310mm(高さ)
重量:約7kg
電源・電圧:100V 専用ACアダプタ
【お問い合わせ先】
富士フイルムメディカル株式会社
営業本部 マーケティング部
TEL:03-6419-8033
- 企業サイトURL
- http://fms.fujifilm.co.jp/
- ニュース・プレスリリース
- http://fms.fujifilm.co.jp/news/articlenr_131031.html
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