敗血症診断に寄与するプロカルシトニンキット「LATECLE PCT試薬」体外診断用医薬品 製造販売承認取得のお知らせ

株式会社カイノス
2023年12月27日

 株式会社カイノス(本社:東京都文京区、代表取締役社長:長津 行宏)は、体外診断用医薬品として、ラテックス凝集比濁法を測定原理とするプロカルシトニン測定試薬「LATECLE PCT試薬」の製造販売承認を2023年12月26日に取得しました。2024年1月中に、医療機関及び検査施設向けに販売を開始する予定です。

 プロカルシトニン※1は、細菌性の敗血症※2の鑑別、診断、重症度判定に用いられるバイオマーカーです。敗血症は細菌感染を原因とした生命を脅かす生体反応であり、ショックや著しい臓器障害をきたし死に至る場合もあり、迅速な診断が望まれる疾患です。

 今般承認を取得したプロカルシトニン測定試薬「LATECLE PCT試薬」は、ラテックス凝集比濁法※3に基づく試薬であり、汎用の生化学自動分析装置を用いて約10分でプロカルシトニンを定量することが可能です。これまでプロカルシトニン測定には専用の分析装置が必要であり、主に大規模病院でしか実施されておらず、夜間休日に検査されていないことが多い検査でした。本製品により、市中の一般病院での検査や夜間休日での検査が容易になり、敗血症の診断において迅速で有用な診療情報の提供に寄与することが期待されます。なお、本件が当期業績に与える影響は軽微でございます。

 株式会社カイノスは、今後も医療現場のニーズを捉えた体外診断用医薬品の開発・製造・販売を通して、医療に貢献することを目指して参ります。

【製品概要】
一般的名称 プロカルシトニンキット
販売名 LATECLE PCT試薬
承認番号 30500EZX00061000
保険点数 検査実施料284点
製造販売元 株式会社カイノス



【用語解説】
※1 プロカルシトニン
 プロカルシトニン(PCT)は血中カルシウムを低下させる働きのあるカルシトニンの前駆物質で、通常であれば甲状腺で産生され、健常人の血中濃度はとても低い値となります。細菌、真菌などの感染時に炎症性サイトカインの刺激により、甲状腺以外の全身の細胞組織から産生され、これらの細胞ではPCTをカルシトニンに切断する酵素が存在しないため、PCTの血中濃度が上昇します。このため、細菌感染症で特異的に血中濃度が上昇する検査であり、敗血症診断に有用とされています。

※2 敗血症
 敗血症は「感染症によって重篤な臓器障害が引き起こされる状態」と定義され、感染症に伴う生体反応が生体内で調節不能な状態となった病態であり、生命を脅かす臓器障害を引き起こします。日本では年々患者数が増加しており、患者数は年間36万人で死亡者数は6万人と、死者数、致死率ともに高い疾患です。敗血症患者に対する抗菌薬治療は診断後速やかに開始される必要があります。敗血症における細菌感染症の鑑別診断は培養検査ですが、報告までに数日かかるため、迅速に鑑別する方法としてプロカルシトニン等の検査が使用されています。

※3 ラテックス凝集比濁法
 ラテックス凝集比濁法は免疫検査の原理の一つで、抗原(プロカルシトニン)に特異的な抗体をコーティングしたラテックス粒子を用いて、抗原物質を検出する測定法です。抗原抗体の免疫複合体を形成することでラテックス粒子が凝集します。この凝集物に光を照射して、散乱による光の減衰(吸光度)を測定することで、検体に含まれる抗原を定量します。

【リリースに関するお問い合わせ先】
株式会社カイノス 総務部 TEL:03-3816-4123 FAX:03-3816-6550
【製品に関するお問い合わせ先】
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