CLTIで生体吸収薬物溶出スキャフォールドの有効性を示す:LIFE-BTK
Drug-Eluting Resorbable Scaffold versus Angioplasty for Infrapopliteal Artery Disease
背景
包括的高度慢性下肢虚血(CLTI)にさまざまなアプローチが試みられているが、特に膝窩下動脈(BTK)疾患は治療困難である。
オーストラリアUniversity of New South WalesのVarcoeら(LIFE-BTK)は、Rutherfordクラス4/5のCLTIおよびBTK狭窄、または閉塞患者261名を対象として、everolimus溶出生体吸収性スキャフォールド(DERS)と標準的血管形成術とを比較する多施設RCTを行った(n=261)。
有効性一次エンドポイントは、1年時点で以下の4項目がないことである。(1)標的肢の足首より上での切断(2)標的血管の閉塞(3)標的病変の血行再建(4)標的病変の再狭窄
安全性一次エンドポイントは、周術期死亡と6ヵ月時点で標的肢に重大な有害事象がないこと、である。
結論
有効性一次エンドポイントで、DERSの優越性を認めた(74% vs. 44%)。安全性一次エンドポイントでは、DERSで重大な有害事象発生があったが、統計学的には非劣性であった。
評価
Abbott VascularのEsprit BTKである。現在、冠動脈疾患治療用DESまで適応外使用されているという混乱したフィールドに、パラダイムシフトをもたらしうる重要な結果である。FDAによる適応承認の最終判断が注目される。