経口抗凝固療法中の脳梗塞患者へのアルテプラーゼ静注は安全
Risk of Bleeding Following Non-Vitamin K Antagonist Oral Anticoagulant Use in Patients With Acute Ischemic Stroke Treated With Alteplase
背景
経口抗凝固薬(NOACs/DOACs)を服用していた脳梗塞患者におけるアルテプラーゼ静注療法は出血リスクを増すため、各ガイドラインは最終服用からの時間によって適応を制限している。ただし、こうした推奨は明確なエビデンスに基づいているわけではない。
台湾Buddhist Tzu Chi Medical FoundationのTsaiらは、同国の全国データベースTaiwan’s National Health Insurance Research Databaseを用いたコホート研究を行い、アルテプラーゼ療法を受けた急性虚血性脳卒中患者(n=7,483)における、発症2日以内のNOACs服用が出血・死亡リスクに与える影響を評価し、さらに先行研究を含めたメタアナリシスも実施した。
結論
発症前に1.2%がNOACsを、2.4%がワルファリンを服用、96.4%は抗凝固薬を服用していなかった。
傾向スコアによってマッチングされた抗凝固療法を受けていない患者と比較して、NOACs服用中患者の頭蓋内出血(リスク差2.47%, オッズ比 1.37)・大出血(4.95%, 1.69)・院内死亡(−4.95%, 0.45, いずれも非有意)リスクに有意な差はなかった。ワルファリン服用患者との比較でも、出血・死亡リスクに有意差はなかった。
メタアナリシスでも同様の結果が得られた。
評価
最近の複数の観察研究は、経口抗凝固療法中の患者におけるアルテプラーゼの安全性を報告している(https://doi.org/10.1001/jama.2022.0948, https://doi.org/10.1161/JAHA.122.025809, https://doi.org/10.1001/jamaneurol.2022.4782)。台湾での本研究も結果は同様で、適応の拡大を後押しする新たなデータとなる。