切除不能胃がんの初回化学療法にSintilimab追加でOS延長:ORIENT-16
Sintilimab Plus Chemotherapy for Unresectable Gastric or Gastroesophageal Junction Cancer: The ORIENT-16 Randomized Clinical Trial
背景
胃がんに対する免疫チェックポイント阻害薬治療は、化学療法との併用において複数の薬剤が効果を示している。Sintilimab(IBI308)は、PD-1と結合するヒトIgG4モノクローナル抗体であり、化学療法との組み合わせで有望視されている。
中国Chinese PLA General HospitalのXuら(ORIENT-16)は、同国62施設の切除不能な局所進行・遠隔転移胃がん・食道胃接合部がん患者を対象に、一次化学療法(カペシタビン+オキサリプラチン;XELOX)に加えてsintilimabまたはプラセボ、さらにカペシタビン維持療法に加えてsintilimabまたはプラセボを割り付け、全生存期間を比較する第3相RCTを実施した(n=650)。
結論
61.1%は、PD-L1 CPSが5以上の患者であった。
全生存期間(中央値)はsintilimab群で15.2ヵ月、プラセボ群で12.3ヵ月と、sintilimab群で有意に改善した(HR 0.77)。CPSが5以上の患者に限っても生存期間の有意な延長が認められた(18.4ヵ月 vs. 12.9ヵ月, HR 0.66)。
評価
胃がんに対する一次免疫療法としては中国初の第3相試験であり、中国では本試験の結果を受けて、この組み合わせが切除不能胃がんに対する標準治療となった。