リバーロキサバンで洞調律HFrEF患者の死亡リスクは軽減できない
Rivaroxaban in Patients with Heart Failure, Sinus Rhythm, and Coronary Disease
背景
リバーロキサバンに心不全軽減効果があるという示唆がある。フランスUniversite de LorraineのZannadら(COMMANDER HF)は、5,002名の洞調律のCAD起因慢性心不全患者を対象としてこの仮説を検証するRCTを行った(対照:placebo)。一次有効性アウトカムは全原因死亡・心筋梗塞・脳梗塞の複合、一次安全性アウトカムは致死的または重要部位の出血である。
結論
中央値21.1ヶ月のフォローアップで、リバーロキサバンの有効性を認めなかった。安全性に差はなかった。
評価
COMPASS試験等のサブ解析で示唆された仮説であり、血管障害防止効果を期待して行われた大規模検証だが失敗した。AF以外の慢性HFrEF患者に持続的抗凝固療法を行うことは無益である。