アルコール使用障害への薬物療法:系統的レビューとメタアナリシス
Pharmacotherapy for Alcohol Use Disorder: A Systematic Review and Meta-Analysis
背景
アルコール使用障害に有効な薬物療法は。
アメリカUniversity of North CarolinaのMcPheetersらは、118件の研究(RCT・前向コホート研究:n=20,976)を対象として、これを検討する系統的レビューとメタアナリシスを行った。一次アウトカムは、アルコール摂取量の変化である。
結論
アカンプロサートとナルトレキソンが飲酒量の低下と関連した(1人の全飲酒再発イベントを抑止するための治療必要数;NNTはアカンプロサート 11、経口ナルトレキソン50 mg/日 18)。また、経口投与ナルトレキソン50 mg/日は過剰飲酒再発低下と関連し(NNT 11)、ナルトレキソン注も30日治療期間における飲酒日の低下と関連した(加重平均差 -4.99日)。有害事象は、胃腸障害がアカンプロサート(下痢 RR 1.58)・ナルトレキソン(吐き気 RR 1.73, 嘔吐 RR 1.53)とも多く報告された。
評価
この問題に関する最新の系統的レビュー・メタアナリシスで、アカンプロサートとナルトレキソンの有効性を担保した。他方、バクロフェン(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36637087/)や、鍼灸治療(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36607868/)を有効とした2023年のメタアナリシスもある。