EGFRエクソン20挿入変異肺がんにamivantamab追加で進行6割減:PAPILLON試験
Amivantamab plus Chemotherapy in NSCLC with EGFR Exon 20 Insertions
背景
EGFRエクソン20挿入変異は非小細胞肺がん(NSCLC)で3番目に多いEGFR変異であり(NSCLC全体の1〜2%)、他のEGFR変異と異なりEGFR−TKIの効果が乏しいことが知られているが、近年、この変異を有する患者を対象とした複数の薬剤が登場している。
中国Tongji University のZhouら(PAPILLON)は、南北アメリカ・アジア・ヨーロッパ・オセアニアのEGFRエクソン20挿入変異を有する進行NSCLC患者の初回治療として、抗EGFR-MET二重特異性抗体amivantamab静注+化学療法または化学療法単独へと割り付け、無増悪生存期間を比較する第3相国際RCTを実施した(n=308)。
結論
無増悪生存期間の中央値は、amivantamab群で11.4ヵ月、化学療法単独群で6.7ヵ月と、amivantamab追加により有意に延長した(HR 0.40)。18ヵ月無増悪生存率は、各31%、3%であり、カットオフ時点での完全奏効+部分奏効率は73%、47%であった(率比 1.50)。
全生存期間の中間解析(データのmaturity 33%)では、amivantamab群の死亡のハザード比は0.67であった。
amivantamab群の7%が副反応により投与を中止した。
評価
日本も参加した国際第3相試験で、amivantamabの有効性を確立した。EGFRエクソン20挿入変異肺がんのファーストラインにおける新しい標準治療となるだろう。
第三世代EGFR-TKIとの併用を検証したMARIPOSA試験、オシメルチニブ後患者でのMARIPOSA-2試験(https://doi.org/10.1016/j.annonc.2023.10.117)でも有効性を示しており、EGFR変異肺がんの治療は大きく変貌しつつある。