再発・遠隔転移上咽頭がんで抗PD-1抗体toripalimab追加がベネフィット示す:JUPITER-02
Toripalimab Plus Chemotherapy for Recurrent or Metastatic Nasopharyngeal Carcinoma: The JUPITER-02 Randomized Clinical Trial
背景
再発または遠隔転移を有する上咽頭がんにおける標準的な初回治療は、ゲムシタビンとシスプラチンによる化学療法である。
中国Sun Yat-sen University Cancer CenterのMaiら(JUPITER-02)は、中国・台湾・シンガポールの再発・転移上咽頭がん患者における初回治療として、6サイクルのゲムシタビン・シスプラチン療法への抗PD-1抗体toripalimab追加とtoripalimab維持療法、ゲムシタビン・シスプラチン療法+プラセボを割り付け、無増悪生存期間を比較する第3相RCTを実施した(n=289)。
結論
無増悪生存期間(中央値)は、toripalimab群21.4ヵ月、プラセボ群8.2ヵ月であった(HR 0.52)。全生存期間についてはtoripalimab群で中央値未達、プラセボ群では中央値33.7ヵ月であった(HR 0.63)。全生存ベネフィットはPD-L1発現レベルにかかわらず認められた。
すべての有害事象、グレード3以上の有害事象、致死的有害事象については両群同等であったが、割り付け治療の中止につながる有害事象(11.6% vs. 4.9%)、免疫関連有害事象(54.1% vs. 21.7%)、グレード3以上の免疫関連有害事象(9.6% vs. 1.4%)はtoripalimab群で多く発生した。
評価
PFS・OSとも、toripalimabの追加により大きな改善をみせた。Toripalimabは、この結果によりFDAの承認を受けており、欧米での新たな標準治療となるだろう。