抗デスモゾーム自己抗体はARVCのバイオマーカー
An autoantibody identifies arrhythmogenic right ventricular cardiomyopathy and participates in its pathogenesis
背景
不整脈源性右室心筋症(ARVC)患者にはデスモゾーム遺伝子変異が報告されているが、病態形成には自己免疫機構が関わっているとみられる。カナダUniversity of TorontoのChatterjeeらは、45名の同患者における抗デスモゾームタンパク(desmoglein-2[DSG2]・desmocollin-2・N-cadherin) 抗体の出現を検討した。
結論
抗DSG2抗体は、異なる患者コホートで12/12、25/25に認められ、境界型患者コホートでは7/8に認められた(対照の健常者コホートでは1例のみ)。同一所見はARVC変異保有犬でも認められた。患者では抗DSG2抗体価は右室萎縮と関連しており、抗体がギャップ結合機能不全を起こすことが示された。ARVC患者では遺伝子変異の有無に関わらず抗DSG2抗体を認め、疾患特異的DSG2エピトープが特定された。抗DSG2抗体は、ARVCの高感度・高特異度マーカーとなりえる。
評価
ARVCの有力なバイオマーカーを特定した。著者らは自己抗体が病態形成に関与する機構は不詳としており、遺伝子変異との相互作用の解明が課題となる。


