EGFR変異肺がん一次治療のオシメルチニブに化学療法を追加する:FLAURA2
Osimertinib with or without Chemotherapy in EGFR-Mutated Advanced NSCLC
背景
第三世代EGFR-TKIオシメルチニブは、前治療歴のない進行EGFR変異非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象とした第3相RCT、FLAURAにおいて、ゲフィチニブを上回る成績を示した(http://doi.org/10.1056/NEJMoa1913662)。しかし、一次治療での有効性にもかかわらず、大半の患者は病勢進行に至る。
フランスInstitut Gustave RoussyのPlanchardら(FLAURA2)は、EGFR変異(エクソン19欠失またはL858R変異)を有する進行NSCLC患者での一次治療として、オシメルチニブと化学療法(ペメトレキセド+シスプラチン/カルボプラチン)またはオシメルチニブ単独を割り付け、無増悪生存期間・その他を評価する第3相国際共同RCTを実施した(n=557)。
結論
化学療法の追加は、無増悪生存期間を有意に延長した(HR 0.62)。24ヵ月無増悪生存率は、化学療法併用群57%、オシメルチニブ単独群41%であった。客観的奏功率は化学療法併用群で83%、オシメルチニブ単独群では76%であり、奏効持続期間(中央値)は、各24.0ヵ月、15.3ヵ月であった。
併用群では化学療法関連有害事象が発生したため、グレード3以上の有害事象発生率は化学療法併用群で高かった。
評価
化学療法追加の有益性は第一世代EGFR-TKIでも認められていたが、オシメルチニブへの化学療法の追加もPFSを有意に改善した。EGFR変異NSCLCの治療は、相次いで登場している第三世代EGFR-TKIに加え、第四世代の開発も進んでおり、選択肢が拡がりつつある。