チカグレロール単独はPCI後標準抗血小板療法を置換できない
Ticagrelor plus aspirin for 1 month, followed by ticagrelor monotherapy for 23 months vs aspirin plus clopidogrel or ticagrelor for 12 months, followed by aspirin monotherapy for 12 months after implantation of a drug-eluting stent: a multicentre, open-label, randomised superiority trial

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
The Lancet
年月
September 2018
392
開始ページ
940

背景

PCIを受けた患者で、チカグレロール単独療法は標準的アスピリンベース抗血小板療法を置換できるか。ベルギーHasselt UniversityのVranckxら(GLOBAL LEADERS)は、15,968名の患者を対象としてこれを検証するRCTを行った。対象は安定冠疾患・ACS患者で、一次有効性エンドポイントは、2年時点での全死因死亡または非致死的新規心筋梗塞であり、二次安全性エンドポイントは出血である。

結論

一次有効性エンドポイントで、チカグレロール優位を認めなかった。二次安全性エンドポイントに差はなかった。

評価

ACS患者でチカグレロールのクロピドグレルへの優位性を示したPLATOを受けて、全PCI患者でアスピリン二重抗血小板療法を同薬単剤治療によって置換できるという仮説を検証した重要な試験だったが、失敗した。ただし、大出血リスクは低いようである。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)