乾癬大動脈炎と冠動脈疾患の間に共通の基底?
Association Between Aortic Vascular Inflammation and Coronary Artery Plaque Characteristics in Psoriasis
背景
アテローム性動脈硬化症(AtS)が炎症性疾患であるという見方の定着は、他の動脈炎とAtSとの間に関連があることを示唆する。NIHのJoshiらは、215名の乾癬患者を対象として、18 F-FDG PET/CTにより検出した大動脈炎と冠動脈疾患(CAD)インデックスとの関連を検討する横断コホート研究を行なった。一次アウトカムは、全プラーク負荷(TB)と非石灰化冠プラーク負荷(NCB)である。
結論
大動脈炎とTB(β=0.23)・NCB(β=0.24)・管腔狭窄(OR:3.40)・HRP(OR:2.72)の関連が示された。この関連は心疾患リスクファクターによる調整後も有意であった。
評価
自己免疫性疾患ともみられる乾癬とCAD炎症の間に共通な基底メカニズムがありえるという興味深い病態仮説を生成した。加えて、18F-FDG PET/CTによる大動脈炎の検出でCTCAによる早期CAD評価を代替しうる、という有望な診断仮説や、さらに乾癬に対し動脈硬化薬を応用する、という治療仮説も生成している。