救急外来で自殺を防ぐためのプロセス改善:ED-SAFE 2
Effect of an Emergency Department Process Improvement Package on Suicide Prevention:The ED-SAFE 2 Cluster Randomized Clinical Trial
背景
救急外来への受診は、自殺企図リスクの高い個人へ医療が介入を行う貴重な機会とみなされている。ED-SAFE試験は、リスク・スクリーニングから電話フォローアップまでの一連の介入によって、自殺企図を減少させられることを示している。
アメリカUniversity of Massachusetts のBoudreauxら(ED-SAFE 2)は、同国8ヵ所の救急外来において、救急外来の自殺関連ワークフローの継続的な改善(CQI)が、自殺リスクの高い患者(Patient Safety Screenerで陽性)におけるその後の自殺、自殺企図関連の急性期医療受診に与える影響を検討するため、ベースライン期間・実施期間・維持期間の3フェーズによる分割時系列デザインを用いたステップウェッジ方式クラスターRCTを実施した。
結論
2,761件の受診が解析対象となった。患者の50.4%は男性で、平均年齢は37.4歳であった。9名(0.3%)が自殺により死亡し、538名(19.5%)が関連する急性期医療への受診に至った。
複合アウトカム(自殺または自殺企図関連の急性期医療受診)発生率はベースライン期間の21%、実施期間の22%と比して、維持期間では15.3%と有意に減少した(ベースライン期間との調整オッズ比0.57)。
評価
ED-SAFEの拡張研究であり、ED-SAFEで採用された介入を継続・強化する品質改善プロセスが、自殺企図の減少につながることを実証した。