起立性低血圧や立位低血圧患者にも厳格降圧すべきか
Orthostatic Hypotension, Hypertension Treatment, and Cardiovascular Disease: An Individual Participant Meta-Analysis
背景
起立性低血圧や立位低血圧患者にも標準・厳格降圧療法を行うべきかは、論争的である。
アメリカHarvard Medical SchoolのJuraschekらは、この問題に関する有効データを提示する9件のRCTの個別患者レベルのメタアナリシスを行った(n=29,235)。
結論
厳格・標準降圧治療は、起立性低血圧の有無にかかわらず、主要アウトカムである心血管疾患(CVD)または全原因死亡のリスクを低減した。
厳格降圧治療は、立位低血圧のない患者ではCVD または全死因死亡のリスクを低減したが、立位低血圧のある患者での低減では有意差がなかった。
評価
長年の論争に一応の決着をつけるメタアナリシスである。
ただし、すべての対象研究がこの問題をテーマにしたものでなく、将来のRCTによる再検証は開かれている。特に、降圧治療中に発現した起立性低血圧への対処方針に関して最終結論を出したものではない。