RET融合陽性肺がんの一次治療、セルペルカチニブで進行半減:LIBRETTO-431
From Shanghai Pulmonary Hospital, Tongji University School of Medicine, Shanghai, China.
背景
非小細胞肺がん(NSCLC)の1〜2%にみられるRET融合遺伝子変異は、有望な治療標的とみなされており、選択的RET阻害剤セルペルカチニブは、第1/2相LIBRETTO-001試験において、プラチナ療法後のNSCLC患者の6割超に奏効をもたらした。
中国Tongji UniversityのZhouら(LIBRETTO-431)は、IIIB-IV期のRET変異NSCLC患者の一次治療として、ペメトレキセド+プラチナ化学療法±主治医選択のペムブロリズマブ、またはセルペルカチニブを割り付け、無増悪生存期間を比較する第3相国際共同RCTを実施した(n=261)。
結論
一次有効性解析の対象であるペムブロリズマブ治療意図集団(n=212)における中間解析では、無増悪生存期間(中央値)は、セルペルカチニブ群24.8ヵ月、対照群11.2ヵ月であった(HR 0.46)。客観的奏効率はセルペルカチニブ群84%、対照群65%であった。中枢神経系に影響する病勢進行のHRは0.28であった。
治療意図集団全体での有効性も、ペムブロリズマブ集団と同様であった。有害事象は、既存の報告と一致していた。
評価
RET変異甲状腺がんでのLIBRETTO-531試験におけるポジティブな結果とともに、NEJM誌に併載された。
本試験のセルペルカチニブは、病勢進行を半減させ、脳転移のある患者でも高い頭蓋内奏効を示した。RET陽性NSCLCの標準治療とみなされることになろう。