切除不能胃がんでのファーストライン・ペムブロリズマブでPFS延長:KEYNOTE-811
Pembrolizumab plus trastuzumab and chemotherapy for HER2-positive gastric or gastro-oesophageal junction adenocarcinoma: interim analyses from the phase 3 KEYNOTE-811 randomised placebo-controlled trial
背景
KEYNOTE-811試験は、切除不能または遠隔転移を有する胃がん・胃食道接合部がん患者に対する一次治療として、トラスツズマブと化学療法に加えて、ペムブロリズマブまたはプラセボによる治療を割り付ける第3相RCTであり、初回の中間解析(n=264)において客観的奏功率の向上を示している。
アメリカMemorial Sloan Kettering Cancer CenterのJanjigianらは、同試験における第2回・3回の中間解析結果を報告した(n=698)。
結論
第3回中間解析までに82%がペムブロリズマブ治療を終了しており、その大半が病勢進行によるものであった。
第3回中間解析における両群の無増悪生存期間(中央値)は、ペムブロリズマブ群10.0ヵ月、プラセボ群8.1ヵ月であり(HR 0.73)、全生存期間中央値は、各20.0ヵ月、16.8ヵ月であった(0.84)。全生存期間は有意性の事前基準を満たさなかったため、最終解析での評価が決定された。
評価
OSの有意差は示されなかったものの、PFSについてはペムブロリズマブ群での改善が示された。ベネフィットはPD-L1陽性患者に限られているとみられるが、HER2陽性の切除不能胃がん患者に新しいファーストラインオプションをもたらす結果である。