血圧管理は収縮期圧管理だけではない
Achieved diastolic blood pressure and pulse pressure at target systolic blood pressure (120-140 mmHg) and cardiovascular outcomes in high-risk patients: results from ONTARGET and TRANSCEND trials
背景
血圧と心血管(CV)リスクの間にはJカーブ関係があることが示唆されている。ドイツUniversitatsklinikumのBohmらは、ONTARGET・TRANSCEND試験参加者データに基づき、収縮期血圧(SBP)目標120〜140mmHg達成患者における 平均達成拡張期血圧(DBP)とCVアウトカム(CV因死・心筋硬塞・脳卒中・入院)の関連を検討した(n=31,546)。
結論
DBP 70〜80mmHgで全アウトカムリスクが最低となった。DBP高値は脳卒中・心不全入院・心筋硬塞高リスクと関連し、DBP低値は一次複合アウトカム高リスクと関連し(HR:1.29)、特に心不全入院リスクが高かった(HR:1.81)。ただし、ベースラインDBP>80mmHgの場合、DBP低減はリスク低減と関連した。
評価
目標SBPレベル達成者の内部でDBPレベルに従ってリスクを検討するという明快な方法によって、リスク管理における脈圧の重要性を明らかにした。外来診療に直結する結果である。


