Bezold-Jarisch反射は、NPY2R発現迷走神経感覚ニューロンを介する
Vagal sensory neurons mediate the Bezold-Jarisch reflex and induce syncope
背景
古典的に著名なBezold-Jarisch反射(BJR)は、迷走神経感覚ニューロン(VSN)を介する心抑制反射で、失神に関与する。
アメリカUniversity of California, San DiegoのMaらは、光遺伝学による行動実験、単一細胞RNA配列解析、HYBRiD組織透明化技術等を用い、マウス心臓VSNの機構を解析した。
結論
マウス心室壁と最後野を接続するニューロンが、主にNPY受容体Y2(NPY2R)を発現していることが明らかとなった。NPY2R VSNの光遺伝学的活性化により、低血圧・徐脈・呼吸抑制という典型的なBJR応答を惹起してマウスを失神させ得た。他方、NPY2R VSNの除神経により、BJR応答は特異的に消失した。
評価
BJR様応答を起因するマウス迷走神経感覚ニューロンを特定した画期的な研究である。ただし、ヒトでのBJRがこの機構で起こることは証明されておらず、次の課題となる。