心血管リスク予測には長期累積血圧の方がよいのか
Use of Long-term Cumulative Blood Pressure in Cardiovascular Risk Prediction Models
背景
長期累積収縮期血圧(cumSBP)のアテローム性動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)発症リスク予測価値が示唆されている。Northwestern UniversityのPoolらは、Lifetime Risk Pooling Projectコホート成人11,767名のデータを用いて、5/10年cumSBPの組み込みが、2013 ACC/AHA 10-year ASCVD risk equationsの予測能を改善する、という仮説を検証した。
結論
5/10年のcumSBP組み込みは、ASCVDリスク予測のC-statisticを有意に改善しなかった。しかし、イベント率の純再分類インデックス・相対統合識別インデックスを大幅に改善した。
評価
主流化する気配のある見解を支持する結果だが、今回の効果の幅は先行結果からの期待よりは小さいようである(https://www.ashjournal.com/article/S1933-1711(15)00553-7/fulltext)。cumSBPは一般には単回測定SBPと乖離しないとみられ、臨床現場でcumSBPを主要指標にすべきかどうかは未定である。