医療機関への財政誘導でCVDイベントを予防:Million Hearts Model
Effects of the Million Hearts Model on Myocardial Infarctions, Strokes, and Medicare Spending: A Randomized Clinical Trial
背景
Million Hearts Modelは、心血管疾患(CVD)医療管理効率化の新モデルで、介入医療機関へのCVDリスクスコア算出の財政的支援や報償によりCVDイベントリスクを低減させようとするものである。
アメリカMathematicaのBlueらは、同モデルの効果を検証するクラスターRCTを行った。342の医療機関をモデル介入群または標準ケア対照群に割り当てた(n=218,684)。一次アウトカムは、初回CVDイベント(MI・脳卒中・TIA)である。
結論
初回CVDイベントとCVD死亡を合わせた一次アウトカム生起の5年確率は、モデル介入群で対照群より0.4%低かった(HR 0.96)。CVDイベントへのメディケア支出と全メディケア支出には、群間有意差はなかった。
評価
US Centers for Medicare & Medicaid Servicesの企画で、財政的にイベント抑制を誘導しようとするものである。統計的有意とはいえ、0.4%という一次アウトカムに対する効果は大きくはみえないが、心血管疾患による死亡は10%減った、という。出来高ベースでなく、効果ベースの支払い方法への試みの一つである。