切除可能肺がんでの周術期デュルバルマブ追加が効果示す:AEGEAN
Perioperative Durvalumab for Resectable Non-Small-Cell Lung Cancer
背景
免疫チェックポイント阻害薬は非小細胞肺がん(NSCLC)の治療を大きく改善し、近年では、IMpower010(https://doi.org/10.1016/S0140-6736(21)02098-5)、CheckMate 816(https://doi.org/10.1056/NEJMoa2202170)など、切除可能なNSCLCにおける周術期使用でも有望な結果を示している。
アメリカUniversity of Texas M.D. Anderson Cancer CenterのHeymachら(AEGEAN)は、治療歴のないII期〜IIIB期の切除可能NSCLC患者に対して、4サイクルの術前プラチナ化学療法に加えて、デュルバルマブまたはプラセボ、さらに術後補助療法でも、12サイクルのデュルバルマブまたはプラセボの投与を割り付ける第3相国際共同RCTを実施した(n=802)。
結論
初回中間解析では、無イベント生存期間はデュルバルマブ群で有意に延長した(HR 0.68)。12ヵ月無イベント生存率は、デュルバルマブ群で73.4%、プラセボ群では64.5%であった。病理学的完全奏効率もそれぞれ17.2%、4.3%と、デュルバルマブ群で優った。無イベント生存・病理学的完全奏効はともに、病期やPD-L1発現にかかわらず認められた。
最大グレードが3・4の有害事象はデュルバルマブ群の42.4%、プラセボ群の43.2%で発生した。
評価
切除後の肺がん患者は半数が再発に至るとされており、免疫チェックポイント阻害薬の検証も、切除可能肺がんでの周術期使用へと焦点を拡げてきた。本試験では、デュルバルマブが術前化学療法への追加で有意な効果を実証し、患者に新たな選択肢を提供する。