肝細胞がんへのアテゾリズマブ+ベバシズマブ、術後補助使用でも効果:IMbrave050
Atezolizumab plus bevacizumab versus active surveillance in patients with resected or ablated high-risk hepatocellular carcinoma (IMbrave050): a randomised, open-label, multicentre, phase 3 trial
背景
アテゾリズマブとベバシズマブの組み合わせは、切除不能な肝細胞がんにおける一次薬物療法の標準だが、根治的切除・焼灼後のアジュバント使用については確立されていない。
中国Nanjing University of Chinese MedicineのQinら(IMbrave050)は、世界26ヵ国134施設の外科的切除・焼灼療法後の高リスク肝細胞がん患者を、アテゾリズマブ+ベバシズマブ群またはアクティブサーベイランス群へと割り付け、無再発生存期間を比較する第3相RCTを実施した(n=668)。
結論
無増悪生存期間はアテゾリズマブ+ベバシズマブ群、アクティブサーベイランス群とも中央値未到達であったが、アテゾリズマブ+ベバシズマブ群で有意に改善した(HR 0.72)。
グレード3・4の有害事象は、アテゾリズマブ+ベバシズマブ群の41%、アクティブサーベイランス群の13%で発生し、グレード5の有害事象はそれぞれ6名(うち2名が治療関連)、1名に発生した。アテゾリズマブ+ベバシズマブ群の9%では、有害事象により治療が中止となった。
評価
肝細胞がんの再発リスクは高く、術後補助療法はアンメット・メディカル・ニーズとなっていた。IMbrave050は日本も参加した国際試験で、肝細胞がんの術後補助療法では初の第3相有効性を示し、標準補助療法となることが期待される。現在、ニボルマブ(NCT03383458)やペムブロリズマブ(NCT03867084)などでも検証が行われている。