2型糖尿病患者の減量に時間制限食？
Effect of Time-Restricted Eating on Weight Loss in Adults With Type 2 Diabetes: A Randomized Clinical Trial
背景
2型糖尿病（T2D）患者への時間制限食（TRE）はカロリー制限食（CR）と比べて減量、またHbA1c値低下に有効か。
アメリカUniversity of Illinois ChicagoのVaradyらは、成人肥満T2D患者75名を対象として、これを検証するRCTを行った。患者をカロリー制限無しで12〜20時間のみ食事を行う8時間TRE群と、1日25%のエネルギー制限を行うCR群、またはコントロール群に割り付けた。一次アウトカムは、6ヵ月での体重変化である。
結論
コントロールと比較してTRE群は一次アウトカムに対する有意な効果を示したが（−3.56%）、CR群では有意な体重減少は認められなかった（−1.78%）。HbA1c値は両群ともコントロール群と同等で、正常血糖値範囲時間、糖尿病管理スコア、血圧、脂質値などにも群間差はなく、有害事象の報告は全群で無かった。
評価
多くの研究があり、なかなか決着のつかないテーマである。2022年の中国での長期間RCTでは、TREはCRに対して優位性は認められなかったが（https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35443107/）、同年のより短期間のアメリカのRCTは、7〜15時のTREの減量・血圧低下効果を報告している（https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35939311/）。このChicago研究は規模が小さく、また25%のカロリー制限はやや緩めである。
