トランスサイレチン心アミロイドーシスにパチシラン:APOLLO-B
Patisiran Treatment in Patients with Transthyretin Cardiac Amyloidosis
背景
多様なアプローチの進展により、トランスサイレチンアミロイドーシス(ATTR アミロイドーシス)治療のランドスケープは急変している。
アメリカColumbia UniversityのMaurerら(APOLLO-B)は、同患者360名を対象として、RNA干渉治療薬patisiran(肝におけるATTR産生を阻害)の効果・安全性を検証する第3相RCTを行った(対照:プラセボ,投与期間:12ヵ月)。一次エンドポイントは、12ヵ月時点での6分間歩行試験における歩行距離のベースラインからの変化である。
結論
Patisiranの一次エンドポイントに対する効果を認めた(歩行距離差の中央値:14.69 m)。KCCQ-OSスコアも実薬群で上昇した(プラセボでは低下)。実薬群での高頻度の有害事象は、注入反応・関節痛・筋痙攣であった。
評価
同薬はすでにバリアントATTRポリニューロパシーで使用を承認されており、ATTR心アミロイドーシスでの効果は予期通りである。同疾患には現在、遺伝子治療を含め、多数のアプローチが競合しており、管理可能な疾患に変容する可能性もある。