複雑分岐部病変のPCI にはOCTガイドPCI?:OCTOBER試験
OCT or Angiography Guidance for PCI in Complex Bifurcation Lesions
背景
NEJMは、複雑分岐部病変患者への光干渉断層法(OCT)ガイドPCIの有益性を検証した2件のRCTの結果を併載している。
デンマークAarhus UniversityのHolmら(OCTOBER)は、分岐部病変患者1,201名を対象として、OCTガイドPCI(OCTPCI)と 血管造影ガイドPCI(AGPCI)の効果・安全性を比較する多施設RCTを行った。 一次エンドポイントは、重大有害心イベント(MACE: 心臓因死・標的病変心筋梗塞・虚血を原因とする標的病変血行再建)の複合である。
結論
追跡期間中央値2年で、OCTPCIのAGPCIに対する優越性を認めた(HR 0.70)、 手技関連合併症はOCT PCI群の6.8%、AGPCI群の5.7%に発生した。
評価
懸案のテーマに関し行われたAbbott Vascular等のファンドによるEU共同研究で、基本的にOCTガイドにポジティブな結論を導いた。一方、併載のILUMIEN IV(Abbottファンド)は、より慎重な結果を出している(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2305861)。学会での論争も伝えられており、NEJM Editorialは「評価法の洗練は、病態の複雑性をより際立たせる」、と最終結論を回避している。

