インドにおける心血管因死亡の全国的実態を初めて報告
Divergent trends in ischaemic heart disease and stroke mortality in India from 2000 to 2015: a nationally representative mortality study
背景
インドにおける心血管因死亡の実態を明らかにする全国家的データが報告された。カナダUniversity of TorontoのJhaらが行ったMillion Death Studyの結果で、15年間にわたる240万人の死因確定研究からの推定である。
結論
2015年のインドの心血管因死亡は全死亡の1/4を超える。虚血性心疾患因死亡率は、調査期間中に男性で10.4%から13.1%に、女性では4.8%から6.6%に増加した。農村部の虚血性心疾患死亡率が急速に上昇しており、都市部を上回るようになった。対照的に、脳卒中因死亡率は男性で5.7%から5.0%へ、女性でも5.0%から3.9%に低下してきている。早期脳卒中による死亡の1/3はインド人口の1/6を占める北東部州で発生しており、全国平均の3倍であった。
評価
インドの心血管因死亡に関する初めての信頼すべき全国データである。脳卒中から虚血性心疾患への全国的転換と、北東部低開発諸州に偏った脳卒中リスクの存続が示された。著者らは、予防的措置が有効となる余地が十分あることを強調している。