インドにおける心血管因死亡の全国的実態を初めて報告
Divergent trends in ischaemic heart disease and stroke mortality in India from 2000 to 2015: a nationally representative mortality study

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
The Lancet
年月
August 2018
6
開始ページ
e914

背景

インドにおける心血管因死亡の実態を明らかにする全国家的データが報告された。カナダUniversity of TorontoのJhaらが行ったMillion Death Studyの結果で、15年間にわたる240万人の死因確定研究からの推定である。

結論

2015年のインドの心血管因死亡は全死亡の1/4を超える。虚血性心疾患因死亡率は、調査期間中に男性で10.4%から13.1%に、女性では4.8%から6.6%に増加した。農村部の虚血性心疾患死亡率が急速に上昇しており、都市部を上回るようになった。対照的に、脳卒中因死亡率は男性で5.7%から5.0%へ、女性でも5.0%から3.9%に低下してきている。早期脳卒中による死亡の1/3はインド人口の1/6を占める北東部州で発生しており、全国平均の3倍であった。

評価

インドの心血管因死亡に関する初めての信頼すべき全国データである。脳卒中から虚血性心疾患への全国的転換と、北東部低開発諸州に偏った脳卒中リスクの存続が示された。著者らは、予防的措置が有効となる余地が十分あることを強調している。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)