末期心不全患者の心房細動にもカテーテルアブレーションを?:CASTLE HTx
Catheter Ablation in End-Stage Heart Failure with Atrial Fibrillation
背景
症候性心房細動(AF)を有する末期心不全患者にカテーテルアブレーションを行うべきか。
ドイツRuhr-Universität BochumのSohnsら(CASTLE HTx)は、症候性AFと末期心不全を有し,心臓移植評価の目的で紹介された患者97名を対象として、これを検証する単一施設非盲検試験を行った。患者を、カテーテルアブレーションとガイドラインに基づく薬物療法を行う群と薬物療法のみを行う群に割り付けた。一次エンドポイントは、全死因死亡・左心補助人工心臓の植込み・緊急心臓移植の複合である。
結論
無作為化後1年の時点で、有効性明白のため試験を早期終結した。カテーテルアブレーションの一次エンドポイントに対する効果を認めた(HR 0.24)。特に、全死因死亡低下が著しかった(6% vs. 20%)。手技関連の合併症は、アブレーション群で3件、 薬物療法群で1件発生した。
評価
大規模移植センターで、移植待機患者を対象に行われた単一施設比較試験である。対象患者の特異性、症例の少なさ等制約は多いが、死亡率の差は印象的である。ネガティブな対応が優勢であったテーマに関するポジティブな方向づけへの重要エビデンスとなった。