ビッグデータとPheWasでIL6Rブロッカーの大動脈瘤への転用を支持
Association of Interleukin 6 Receptor Variant With Cardiovascular Disease Effects of Interleukin 6 Receptor Blocking Therapy
背景
インターロイキン6受容体(IL6R)-SNPとIL6Rブロッカーの治療有効性が牽連することが示されているが、これはIL6R SNPと広範な臨床データの関連付けにより、同クラス薬の新しい適応が示される可能性を示唆する。Veterans Affairs Boston Healthcare SystemのCaiらは、VA Million Veteran Program(MVP)のEHRバイオバンクデータを用いたフェノムワイド関連研究(PheWAS)により、IL6R SNPと臨床特性との関連を検討した(n=332,799)。
結論
IL6R SNPは、大動脈動脈瘤表現型のリスク低下と最も強く関連していた(オッズ比0.87-0.90)。この現象は、Vanderbilt University Biobankでも確認され、また冠性心疾患のリスク低下はUK Biobankでも再現された。
評価
臨床試験で示唆されていた関連を、EHRのビッグデータとPheWASを結びつける、という新しい方法論で確認した。既存薬転用の一般的方法論の概念提示として有用である。