最大のビッグデータで腎機能指標の心血管リスク予測能を検証
Estimated Glomerular Filtration Rate, Albuminuria, and Adverse Outcomes: An Individual-Participant Data Meta-Analysis
背景
慢性腎臓病(CKD)患者の腎機能検査に関して、膨大なデータが蓄積されている。
世界100コホート以上をカバーする国際CKD Prognosis Consortiumは、腎機能評価指標eGFRcre・eGFRcr-cys・UACRと腎疾患・心血管疾患・その他、健康アウトカムとの関連性を評価する個人レベルのメタアナリシスを行った(n=27,503,140 [eGFRcre]/720,736 [eGFRcr-cys]/9,067,753 [UACR])。
結論
全コホートで、平均eGFRcreは90 mL/min/1.73 m2(平均年齢54歳/UACR中央値, 11 mg/g)、平均eGFRcr-cysは、88 mL/min/1.73 m2(平均年齢59歳/UACR中央値: 9 mg/g)であった。低eGFRcre・低eGFRcr-cys・高UACRは、いずれも腎障害を含む10の有害アウトカムの発症リスク増と有意に関連した。eGFR <15 mL/min/1.73 m2 および UACR≧1000 mg/g の場合、有害アウトカムは、入院 562件/1,000人年、腎代替療法に至る腎不全325件/ 1,000人年、死亡148件/1,000人年であった。
評価
Johns Hopkinsが主導した、この関連に関する最大の世界的個人ベースのメタアナリシスで、以後の実践で参照されるべき基本リファレンスを提供した。著者らは、リスク予測にはクレアチニン単独よりクレアチニン・シスタチンCベース のeGFRの方が良い、と示唆している。