非局在症状を伴うTIAは後方循環系病変が多い
Significance of Nonfocal Symptoms in Patients With Transient Ischemic Attack: The PROMISE-TIA Study
背景
日本のTIA前向登録研究PROMISE-TIAは、すでにいくつかのユニークな報告を行っている。同研究のIshiharaら(National Cerebral and Cardiovascular Center)は、非局在症状を伴うTIA患者の特性を検討した。非局在症状の定義は、意識レベル低下・意識消失・混迷・健忘・不安定・動揺性眩暈・心臓-自律神経症状・両側性筋力低下・気分体調不良感・聴力障害である(n=1,362)。
結論
TIA患者の16%が非局在症状を伴った。このような患者では、拡散強調像(DWI)上の梗塞巣や血管系検査での狭窄像が後方循環系上に多かった(OR:各3.07・1.94)。また非局在症状患者は、発症後一年間の虚血性脳卒中発生リスクが局在症状患者と同等である一方、冠動脈疾患のリスクは高かった(HR:3.37)。
評価
日本人で局在症状を伴わないTIAが起こった場合は後方循環系に起因するオッズが高い、という面白い結果で、臨床医の直感と一致する。このような患者の発症後一年間の脳卒中リスクが局在症状患者と同等である一方冠動脈疾患リスクが高い、という報告もユニークだが、これはこのレジストリの特性に関連する可能性もある。