1型糖尿病妊婦へのハイブリッドクローズドループ療法は有用:AiDAPT
Automated Insulin Delivery in Women with Pregnancy Complicated by Type 1 Diabetes
背景
1型糖尿病妊婦へのハイブリッドクローズドループ療法(HCL:人工膵臓)の有用性は。
イギリスUniversity of East AngliaのMurphyら(AiDAPT)は、HbA1c値が6.5%以上の妊娠1型糖尿病患者124名を対象として、これを検証するRCTを行った。患者をHCL群と標準インスリン療法群に割り付け、両群ともに持続血糖測定器(CGM)でモニターした。一次アウトカムは、CGM測定による妊娠16週間目から出産までの妊娠期特異目標血糖値範囲(63-140 mg/dL)内の時間率である。
結論
HCLの標準ケアに対する一次アウトカム優位を認めた(68.2% vs. 55.6%, 調整平均差 10.5%)。また、HCL群では高血糖状態は少なく(差 -10.2%)、夜間目標範囲時間も長く(差 12.3%)、HbA1c値も低下し(差 -0.31)、低血糖状態も少なかった。HCL関連の予期せぬ安全性問題の発生はなかった。
評価
ここで検証されたHCLシステムCamAPS FXは、すでにEU・オーストラリアで妊婦使用が認められており、このRCTにより、イギリス・アメリカでの使用承認は確実なものと思われる。以降は、産婦・生児への長期影響が検証されてゆくことになるだろう。