個人レベルのビッグデータで、修正可能な心血管危険因子のグローバルな死亡率に対する効果を確認
Global Effect of Modifiable Risk Factors on Cardiovascular Disease and Mortality
背景
心血管疾患リスク因子に関する研究には、未だグローバルな広がりが欠けている。
ドイツUniversity Heart and Vascular CenterのBlankenberg ら(The Global Cardiovascular Risk Consortium)は、同コンソーシア参加8地域 34 ヵ国で行われた112件のコホート研究の個人レベルデータ解析の結果を報告している(n= 1,518,028)。対象危険因子は、BMI・収縮期血圧・non-HDL-C・現在の喫煙・糖尿病である。
結論
中央値7.3年の追跡で、5つすべての危険因子の心血管疾患10年発生率に対する人口寄与危険率は、女性 57.2%、男性 52.6%、また10年全死因死亡率に対する人口寄与危険率は、各22.2%、19.1%であった。これらの指標には地域差が明確であった(例:10年全死因死亡率に対する人口寄与危険率で、アジア男性43.2%、オーストラリア男性2.9%)。
評価
各国データのメタアナリシスによってきた従来の研究と異なり、個人レベルの斉一的なビッグデータによって、心血管リスク因子のグローバルな死亡率に対する効果を検討した初めての研究である。著者らは、高血圧と喫煙という2因子を最もベーシックな修正可能因子としている。