個人レベルのビッグデータで、修正可能な心血管危険因子のグローバルな死亡率に対する効果を確認
Global Effect of Modifiable Risk Factors on Cardiovascular Disease and Mortality

カテゴリー
循環器、Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
October 2023
389
開始ページ
1273

背景

心血管疾患リスク因子に関する研究には、未だグローバルな広がりが欠けている。
ドイツUniversity Heart and Vascular CenterのBlankenberg ら(The Global Cardiovascular Risk Consortium)は、同コンソーシア参加8地域 34 ヵ国で行われた112件のコホート研究の個人レベルデータ解析の結果を報告している(n= 1,518,028)。対象危険因子は、BMI・収縮期血圧・non-HDL-C・現在の喫煙・糖尿病である。

結論

中央値7.3年の追跡で、5つすべての危険因子の心血管疾患10年発生率に対する人口寄与危険率は、女性 57.2%、男性 52.6%、また10年全死因死亡率に対する人口寄与危険率は、各22.2%、19.1%であった。これらの指標には地域差が明確であった(例:10年全死因死亡率に対する人口寄与危険率で、アジア男性43.2%、オーストラリア男性2.9%)。

評価

各国データのメタアナリシスによってきた従来の研究と異なり、個人レベルの斉一的なビッグデータによって、心血管リスク因子のグローバルな死亡率に対する効果を検討した初めての研究である。著者らは、高血圧と喫煙という2因子を最もベーシックな修正可能因子としている。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)