アルドステロン合成酵素阻害薬による高血圧治療、lorundrostatも有望な結果を示す
Aldosterone Synthase Inhibition With Lorundrostat for Uncontrolled Hypertension: The Target-HTN Randomized Clinical Trial
背景
アルドステロン合成酵素阻害による降圧治療が注目されている。
アメリカCleveland Clinic FoundationのLaffinら(Target-HTN)は、2種以上の降圧薬で降圧不十分な高血圧成人患者を対象に、アルドステロン合成酵素阻害薬lorundrostatの安全性・有効性を評価する第2相RCTを実施した。
第一コホートの患者(PRA1.0 ng/mL/h以下)を、lorundrostatの5用量(1日1回12.5 mg・50 mg・100 mg・1日2回12.5 mg・25 mg)またはプラセボに割り付け、第二コホートの患者(PRA1.0 ng/mL/h以上)は、1日1回100 mgまたはプラセボに割り付けた。
結論
8週間の治療後、第一コホートにおける診察室測定収縮期血圧は、5用量およびプラセボの各グループで、各-6.9 mmHg・-13.2 mmHg・-14.1 mmHg・-13.8 mmHg・-10.1 mmHg・-4.1 mmHg低下した(プラセボ群との最小二乗平均差:1日1回50 mg群で-9.6 mmHg、100 mg群で-7.8 mmHg)。また、第二コホートの患者では、-11.4 mmHgの低下となった。
血清カリウム値上昇が6名で発生したが、減薬や中断によって改善した。コルチゾール分泌不全は発生しなかった。
評価
昨年、NEJM誌に第2相結果を報告したbaxdrostat(https://doi.org/10.1056/NEJMoa2213169)と同種の、過剰なアルドステロン合成を抑制する新クラス薬である。JAMAEditorialは"New Dawn for Aldosterone"と高い期待を示しているが、baxdrostatは続くHALO試験で早くも躓いており、lorundrostatの効果も慎重に見極める必要がある。