ナトリウム制限の心血管効果にさらなる論争的結果
Urinary sodium excretion, blood pressure, cardiovascular disease, and mortality: a community-level prospective epidemiological cohort study
背景
ナトリウム摂取制限の心血管イベント低減効果に関しては論争があり、WHOのナトリウム消費2g/日以下推奨が有益であるかどうかも確定していない。カナダMcMaster UniversityのMenteらは、21ヶ国の共同研究(18ヶ国の心血管疾患のない35〜70歳を対象)により、コミュニティレベルの平均ナトリウム・カリウム摂取量と心血管疾患・死亡イベントの関連を検討した(血圧:n=95,767、心血管イベント:n=82,544、追跡期間中央値8.1年)。
結論
平均ナトリウム摂取量と心血管イベントの関連は非線型であり、低摂取量分位では有意だったものの中間分位(4.43-5.08g/日)では関連がなく、高分位では関連は陽性だったものの有意でなかった。カリウム摂取量増と主要心血管疾患イベント減には関連があった。
評価
コミュニティレベルの尿中排泄量実測によるデータにより、ナトリウム制限は摂取量が5g/日を超える場合だけ有益である、ということを示唆するさらに論争的な結果を示した。この研究には中国も参加しており、脳卒中イベントと高いナトリウム摂取量(5.58g/日)との関連が示されている。


